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某所で新月予報を出している「星見当番」の裏日記。裏当番&裏テントチームが執筆を担当


by ura_hoshimi

裏チームの週末

【食事当番、久々に活動中】

表テントの片隅に覚え書きを載せているが、
宿主どのが十数回目のダイエットに入った。

今回、主に健康対策なのであまり過激なことはしない。
口に入れたものを(ノーカロリーの飲物などを除いて)
毎日全て記録すること、同じく体重を朝晩記録すること、
間食を(我慢できるときはなるべく)しないこと、
そして平日はお弁当を持っていくこと。これだけ。

食事日記と、毎回の食事作りで久々に食事当番の出番。
弁当箱を新調して、今のところ休まずお弁当ライフを続けている。


【お庭番、停滞中】

夏中暑かったので、夜しか庭に出ない生活が続いている。
お庭番もへたり気味で、育てていたミニカボチャを枯らすという
珍しいことをやってしまった。地植えにしていたプリンセス・ドゥ・モナコは
虫にやられてほぼ壊滅。どうも、うちの庭というのはバラと相性が悪い。
そもそも半日陰だしなあ。

元気なのは、鉢植えにして日当たりのいいデッキに置いている
中国原産のマツリカだけ。さすが南国生まれ、暑いのが大好き。
わしわしと葉を茂らせて、次から次へと白い花を咲かせる。
夕方、外に出ると風に乗ってふわりとジャスミン茶の香り。


【お針当番、運針とExcelで遊ぶ】

ドール用振袖…帯やら帯揚げやら作らねばならんのだが…
半襟も…本体が全て仕上がったのだが、そこから先が進まない。
結局猛暑の間は帯一本仕上がらず。体調も悪かったんだけど。

その間、何にもしていなかったかというとそうでもなく。
お針、基本に立ち返って「ゆびぬき」を使った運針の特訓をしていた。
なんとかして揃った縫い目で・細かく・早く縫えるようになりたくて、
縫い物の基本が書かれた本から和裁の本まで色々見てみたんだが
「運針のしかた」が写真つきでちゃんと載っている本って意外と少ない。

探し回っているうちに、とある書店でやっと見つけた。
去年出た雑誌で、『おしゃれ時間。2006年春夏号』なるもの。
これは主婦と生活社 『美しい部屋』の別冊であるらしい。
巻末近くに「大人の家庭科」という連載ページがあって、
そこに「本気でうまくなる!運針」という7ページの記事が。

指導はキルト作家の黒羽志寿子さん。
和裁と同じ、リング型のゆびぬきを使い、和針を使うが
普通の和裁での運針と違って「くけ台」や「かけはり」は使わず、
また和裁の運針よりも針目が細かい(普通の運針は約4mm、
黒羽式運針は約2mm)。

おお、針目2mmとは助かる。当番が主に縫うのはドール服なので
普通の和裁の運針では目が粗すぎて使えないのだ。
(もっとも、その普通の和裁の運針、というのがお針の場合、
何度練習してもできなかったんだけど)

記事のとおりに、ゆびぬきと短い針を用意して、
最初のポジションに手を持って行ってみる。
記事についている写真は右利き用だから、頭の中で
写真を裏返して、左利き仕様に変換して持つのだ。
いつものことながら、頭がこんぐらかる。

中指の第二関節にゆびぬきを嵌めて指を曲げ、
縫い針の「耳(穴のある方)」をゆびぬきに当てて支える。
そして、親指と人差し指の腹で針を挟むように軽く持つ。
このとき、針の先は親指と人差し指の先に5mmくらい出るように。

持ってみてわかった。いままでお針が最初の「針を持つ」さえ
うまくいかなかったのは、どうやら長い針を使っていたかららしい。
そして、変な風に手首を捻って、布を覗き込みながら縫おうとしていた。

手首は返さなくてよかったのだ。親指と人差し指で「OK」をするように
輪を作って、その輪の下に折りたたんだ中指が覗いている感じでいい。
そして親指と人差し指で作った輪の上に卵をのっけているつもりで、
針を持つ手の方はあまり動かさないで縫う(もう片方の手で布を動かす)。

「伊右衛門」のおまけ手ぬぐいコレクションの中から、
一番気に入らない柄を練習用布として選んでちくちく縫ってみる。
あ、できる。ちょっとゆがむけど初めて「運針」ができている。
縫い目も2mmだし、表裏の針目の長さに差が出ない。
(お針、自己流の縫い方で手縫いをすると必ず裏の針目が
表よりも長く、いびつになるのだ)

面白がって、どんどん縫う。二つ折りにした伊右衛門てぬぐいに、
1cm幅で平行線を何本も引いて、その上をどんどん縫う。
とうとう一面全部刺し終えた頃には手の動きもなめらかになった。
お針当番、この歳にして初めて「運針」を理解する。

縫いながら思う。お針の通った小中学校では、
家庭科の時間に、ごく基本的な「なみ縫い」や
「返し縫い」の方法は教わったけれど、いわゆる本式の、
和裁用の運針は教わらなかった。当然、運針のテストもなかった。

もし、あったとしたら。
お針の家庭科の時間、悲惨だったろうなあ。
子供の頃のお針は、今と違って右利き仕様の図や写真を
自分用に左右反転させてみて、それを自分の手や姿勢に
当てはめてみる、という作業が苦手だったのだ。
何も考えずにただ写真の通りに手を持っていけばいい
フツーの、頭と手の間の連絡がスムーズな右利きの子供とは
それだけで差がつく。

(当時のお針―もっとも今でも少しそのケがあるが―は、
頭と手の間の連絡があんまりスムーズじゃなかった。
左利きである自分のために、得た情報を翻訳し、
自分の体とすり合わせることが大変下手であったために
お針は長いこと、自分は特別に不器用なのだと思い込んでいた。)

おまけに先生はと言えば、左利きの子供を理解する必要を
まったく感じていない、「不便なら右利きに直せ」と平気で言うような
右利き原理主義ときている。そんな状態で、森茉莉の『記憶の絵』に
出てきたみたいな「運針の試験」なんてものが課せられていたら、
幼いお針はまず間違いなく家庭科嫌いになっていただろう。

(当時、家庭科の成績は「5」か「4」だったが、よい成績が取れたのは
裁縫の腕前がよかったわけではなく、アップリケや刺しゅうの授業で
他の子供がやらないようなオリジナルの図案を作ったり、
被服の授業の時に、敢えて工程の多い、応用的なデザインの
スカートを縫ったりという意欲が買われてのことである。)

余談だが、お針は森茉莉が『記憶の絵』で書いた運針の試験、
あのエピソードはまるで自分のことみたいに共感するのだ。
お裁縫をお習字か、そうじゃなければ「逆上がり」に変えれば
あのみじめな気分はまったくもって幼いお針の経験したものと
同じである。

さて、運針ができるようになってきたのだから、そろそろ
ドール着物用の小物作りを…と思っているのだが
取りかからずに、また寄り道。ただいまのお針、Excelで
クロスステッチの図案を記録するのにハマっている。

発端は、とてもかわいいワンポイントクロスステッチの図案を
見つけてしまったこと。その図案と、別の図案を組み合わせて
ある絵柄を描き出したいのだが、その「別の図案」で
ちょうどいいのが見つからなかった。

しょうがないので、Excelで方眼のシートを作り、
そこにまず、本で見つけた図案を手作業で写し取った。
そして、その図案の大きさに合うように、オリジナルの図案を
描き足していく。色を変えたり、左右反転図案を作ってみたり
色々試して、どうにか作りたい絵柄が完成。

ついでに、手持ちのクロスステッチ図案集を出して
気に入った図案だけを写しておくことにした。
本が一冊あっても、その中で気に入る図案というのは
数個だけだったりする。当番が好むのは単色のものなので、
なおさら少なくなる。好きなのだけを写し取って保存しておけば
本自体は処分してもいいわけだし、必要なときに印刷できる。
他の図案と組み合わせてデザインバランスを見るのも、
シートの上でなら簡単にできる。

ワンポイントやイニシャル、ボーダー・コーナー模様を中心に
色々な図案をうつした。出典がわかるように、図案の下に
載っていた本の名前と出版年月、デザイナー名も入れておく。
いくつか、簡単なオリジナル図案も考えて作っておいた。

週末、ほとんどそれにかかりきりだった。
これでクロスステッチの本が何冊か処分できて、
手芸本用の本棚にゆとりができる。あともう少しで終わる。
それが終わったら、本腰入れて縫い物をしなきゃ。
10月には、間に合わせないと。
by ura_hoshimi | 2007-09-02 17:49 | 裏チーム入り乱れ