某所で新月予報を出している「星見当番」の裏日記。裏当番&裏テントチームが執筆を担当


by ura_hoshimi

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【お針当番記す】

追い剥ぎ編、真打登場。すずさんに着せてみた。

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おお、すずさん。お人形みたいにかわいいよ(人形だが)。

うちのナンバーワン、別格扱いのお嬢であるので、
リボンも気をつかって精一杯かわいく蝶結び。
うーん、似合うと思ったんだよこのドレス。
注文した甲斐があったなあ(中の人の立場は)。

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あ、ごめんちょっと見せてね。
さっきペチコートの撮影するの忘れちゃったのよ。

「かわいいと言った舌の根も乾かないうちにこれですか!」

いえね、制服ちゃんはまだ来たばっかりで
いきなり裾をめくって写真撮るのは不憫かなと思って。

「すず子だったら不憫じゃないっておっしゃいますかそうですか」

だってよく赤襦袢で生足出して徘徊してるじゃないですか。

「だからと言ってめくっていいことにはならんわ!!」

先だって「お煙草盆」のモデルにして以来、
機嫌の悪いすず子嬢である。
それはそうと、ペチコートは作りつけである。
プリーツスカートの裾からレースがちょこっと覗く丈。

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大正時代のお嬢様みたいでかわいい。
すず子11歳(数え年齢)、今日は乳母やと一緒に
横浜にお船を見に来ました的な。

今までボークスの25cmボディにしていたのを
この服を着せるためにリカボディに変更。
ボークスボディでいるのを見慣れたせいか、
デフォルトのリカボディの筈なのにすごい違和感。

可愛いけど、なんだかちんちくりんになったねえ、
リカボディじゃやっぱり魔性にはなれないねえ、
なんて思いながらアップを撮るために寄っていったら。

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すいませんお針がまつがってましたごめんなさい。
ちょっとばかり背が縮もうが首が傾かなかろうが、
出すときゃ出します魔性のオーラ。

さすがは当家のナンバーワン。
他の追随を許さぬこのヌエヌエしさよ。

「一応誉められているのだと思うことにするわ。」

誉めてますよ、むろん。

「ところでヌエって何?」

平家物語に出てくる、頭がサ…いやそれはいいか、
要するに「得体の知れない化け物」の代名詞ですね。

「すず子を化け物と申すか!」 

靴で殴らないでください。地味に痛いです。

「ところでお針。すず子最近お姉様にお目にかかってないのだけど」

おねえさま?どのおねえさまでしょう。

「すず子がお姉様と呼ぶのは一人きりです!」

ああはいはい。お姐様ね。

「微妙にアクセントが違うのは気のせいかしら。」

気のせいですよ。
お姐様は今ちょっと珍しいことになってまして。

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「お姉様!!◎△$♪×¥●&%#?!(←声にならない悲鳴)」

指をさすのはお行儀悪いですよすず子お嬢さん。

「お姉様をお嫁に出すなんて、お針のバカっ!人でなしっ!
お姉様が行くならすず子も一緒にお輿入れ先に参りますー!!」

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「誰がお輿入れだ莫迦者。」

すず子さん、落ち着いてください。
今更お姐様を嫁に出したりしませんよ。
撮影用に買ったドレスを、シーズン前のお試しで
ちょっと着せてみただけですから。

「6月の本公開を待て。」

…だそうですよ、すず子さん。
すず子さんにもドレス買ってありますから、
一緒に撮影しましょうね?

「ウェディングドレス?」

ううん、ピンクのパーティドレス。
姐さんのブライズメイドやってもらおうと思って。
痛っ。なんで殴るのですか。
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by ura_hoshimi | 2008-05-24 21:42 | お針当番記す
【お針当番記す】

制服リカ(白)のセーラー服をアリエルリカに着せた。
横着して着替えじゃなくて首換えなんだけど。
換えようとしてびっくり、制服リカちゃん(白)の頭、
もっのすごく柔らかいのだ。

国産ヘッドは中国産ヘッドよりも柔らかいとは聞くけれど
(お針のところには国産っ子しかいないので、
中国産ヘッドが実際どれだけの硬さなのか知らない)
同じ国産娘のすずさんやアリちゃん以上に柔らかい。
ぐにゃっというかぷにっというか。とにかく驚いた。

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さて、アリエルリカちゃんin制服リカちゃんのドレス。
ベレーのリボンを結ぶ気力がなかったらしいよ。

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アゴ下でひと結び。お針の手ではこれが精一杯。
でも、アリエルリカちゃん可愛いねえ。赤毛は最強。

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もう一枚。

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それまでアリエルリカちゃんに着せていた服を
制服リカちゃんに。キャッスルオリジナルのリカ服。
メンソレータムのリトルナースちゃん風エプロンドレス。
ナース帽もついてるんだけど割愛。

この服のくすんだ青がアリエルリカの赤毛に映えるので
今まで彼女専用になっていたのだけど、制服ちゃんにも似合う。
淡い金髪が映えて美しい。ちょっとドレスの色が濃すぎるが
青のエプロンドレスに金髪ウェーブでアリス風味。
別分岐になってる前髪の境目にリボンを巻いてやれば
完璧だと思う。

この子にちゃんとしたアリス服つくってやりたいなあ。
リカ服本に載ってた淡いピンクのアリス服。裾スカラップの。
似合うと思うんだが、裾スカラップの手間を考えるとなあ。

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ウサギさん、待って。と走り出す感じ。
怪しいお菓子を食べて大きくなっちゃった風にも見えるけど。

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この子はなぜか横顔が可愛いと思う。子どもらしくて。
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by ura_hoshimi | 2008-05-24 18:43 | お針当番記す
【お針当番記す】

もう先週末の話だが。小美人を撮るついでに
制服リカちゃん(白)も撮ってみた。

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実物は可愛いんだが…意外と撮りにくいんだなこの子。

縫い物をしようと思ったら突然晴れ間が覗いたので
慌てて撮影。背景になっているのは人間の夏服を縫おうと
粗裁ちしていた服地。せめてアイロンかけてから撮ればよかった。

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アリエルリカちゃんを迎えた時にもずいぶんと幼な顔だと
(すずさん比)思ったものだけど、この子は更に幼な顔だ。
鵺度は低いな。そうヌエヌエしたのばかり集まっても困るので
それはそれでいいのだ。

髪色もリップも色素薄ーい感じでおとなしげに見える。
見えるといえば肉眼だと前髪から眉毛が透けて見えるんだけど
撮影してみると写らないのだな。

お帽子はリボンで固定するベレー帽という不思議な仕様。
このおリボンをアゴの下で結ぶのがたいへんに難儀する。
リボン結びにしたときにおさまりをよくするためなのか、
長さが妙に短いのだ。ほっそりとした指の女性だったら
簡単に結べるのだろうが、女なのに男並みにごつい手の
お針当番には非常に扱いづらい。

よくあるサテンリボンではなく、リボン刺繍用みたいな
薄い繊細な地質のリボンなので、強く引くと裂けそうで
なかなかきりりと結べない。お針当番のように、
不器用というわけではないが地の力が強すぎる人間には
(手縫いをしていて縫い針を折る。縫い糸を引きすぎて千切る)
サテンリボンの方がありがたい。そのうち付け替えるか。

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アゴ下で結ぶのは頬っぺたにかかるリボンの具合が
意外と難しい。下手すると頬っかむりに見えていけない。
リボンが目立たないように耳の後ろを通して襟足で
結んでみた。

ついでにベレーのかぶせ具合を変えて様子を見る。
最初は目線と同じ方向に傾けてかぶせていたのを
反対側に傾けてみたり、水平にかぶせてみたり、
色々やってはみたが。

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結局、変に傾けたりせずに前髪を多めに出して
あみだ気味にかぶるのが子どもらしくて一番似合うし
写真うつりもいいことが判明。

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ベレー帽を取るとこんな感じ。
おまいさん、帽子かぶってない時の方が
写真うつりいいんじゃないかい?
お針のかぶせ方が悪いからかorz

うちのリカ族、これで三人目。地味に増殖している。
しかも今、猛烈に欲しい仕様のリカ様がもう一体
出てきているというorz。可愛いと評判の仕様で
オクでも高値だからよっぽどの幸運がない限り
お針の手には入らないだろうけど。
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by ura_hoshimi | 2008-05-24 17:40 | お針当番記す

小美人と、ヴァイオリン

【お針当番記す】

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小美人と、やっとみつけたミニチュアヴァイオリン。
微妙にスケールが合わなくて、大きめなような気もするが。

ヴァイオリンは形が綺麗だから、マグネットやらブローチやら
1/6ドールに合いそうなサイズでリアルなミニチュアは結構出てるのだが
そういうアクセサリーになっているミニチュアヴァイオリンって
弓がついてないことが多いのだ。こっちは演奏姿を撮りたいわけで、
本体だけあって弓がないんじゃしょうがない。

これは多分、インテリア用のミニチュアで、弓がちゃんとついている。
ちゃんとしたケースつきで、ケースの蓋のところに弓が収納できるように
仕切りがついている精巧な品であるが、なぜかケースに持ち手がない。
神楽坂の食器屋さんで偶然見つけて買ってきた。なぜ食器屋さんなんだ。

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じゃあ早速構えてみてもらいましょうか。
姿勢や肘の位置がこれで合っているのか心もとないけれど、
小美人、ヴァイオリン似合うねえ(親バカ)。

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このミニチュアに厚みがありすぎるのが悪いのか、
それとも小美人が小顔でアゴが小さすぎるのが悪いのか、
何をどうやってもチンレスト(アゴをのっける黒いパーツ)に
アゴがうまいこと乗っかってくれないのが悔やまれる。

アゴと肩とで挟めないんじゃあ安定しないから
演奏できないよね。雰囲気だけ雰囲気だけ。
まだ演奏前で構えの調整をしている場面ってことで。

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可愛いのでどんどん寄っていってしまう。
毎度親バカですみません。

小美人、ヴァイオリン似合うねえ(また言ってる)。
左サイドグランスアイだからヴァイオリン構えさせると
目線とあいまってピタリときまる。

逆に左サイドグランスの子だと難しい楽器は
フルート・ピッコロかな。あさっての方向むいて
演奏してるみたいに見えちゃうだろう。

キサラやリエも(リカ族も)左サイドグランスだから
同じようにヴァイオリンが似合うと思う。
やってみたいなあ、キサ・リエ・小美人で弦楽カルテット。

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似たような角度ばかりですまぬすまぬと書きながらも
もう一枚。しかし本当だったらこんな髪を降ろしっぱなしで
首飾りつけたままでは演奏しないよね。弓にひっかけたら
危険だし。

カルテットを作るなら、演奏家らしく髪をまとめている史子姐さんと
巽ちゃん姐さんはぜひメンバーに入れたいところ。
あとはキャスコレ13リエと小美人で4人になる。
キサラカルテットじゃなくて「キサラヘッドカルテット」だな。
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by ura_hoshimi | 2008-05-21 00:04 | お針当番記す

小美人と、くびかざり

【お針当番記す】

この週末は、重い腰をやっと上げて制服リカちゃんを撮った。
服は可愛いんだが、髪もメイクも色味が少ない仕様であるため
ぞんがい顔を可愛く撮るのが難しい嬢ちゃんであることが判明。

同じ制服をアリエルリカちゃんが着たヴァージョン、すずさんが
着たヴァージョン(リカボディで)も撮影。似たような角度ばかりだと
思いながらバカみたいに沢山撮った。当分画像に困らないな。

でも、今夜出すのはリカちゃんじゃなくて小美人画像。
こないだ首が折れちゃって以来キサラボディだったんだが
やっと新しいボディを調達した記念。そして、つい先だって
めでたく1/6ドールの世界に足を踏み入れた某お方から
ドール用アクセサリーをいただいたのでお披露目を兼ねて。

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やっと可動ボディに戻れた小美人。ボディは前とおなじ、
ボークスEBビューティMidi。服は何だったかな、
バビ服だったかリカ服だったかの水色トップスに
下は写ってないけどアゾンの白いティアードスカート。

首にかかっているのが、今回いただいたネックレス。
ウチの小美人をご贔屓にしてくださっている方なので、
真っ先に小美人に着けてみた。

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ネックレス、外すとこんなかんじ。
特小ビーズと丸小ビーズ、キャッツアイのハートビーズ。
全部白とクリアでまとめた清楚なネックレス。

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ボールチップと小さなCカンを留具にしてあるアイデアに脱帽。
ドール本ではよく9ピンを曲げてフック代わりにしているけれど、
ボールチップの先端を閉じないでフックとして使うというのは
盲点だったなあ。

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1/1サイズのネックレスもいただきました(笑)。
小美人のと同じ白&クリアでまとめたハートのネックレス。
(小美人のはチャームが胸元まで来るデザインだけど、
こちらは鎖骨のくぼみのすぐ下あたりに来るデザイン)
涼しげでこれからの季節にぴったり。活用させていただきまっす!

せっかく綺麗なアクセサリーをいただいたことだし、
もう少しドレスアップしてみようか、小美人?

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カレンダーガール・スカジャンサヤカの黒ワンピース。
淡色の普段着に白のネックレスを合わせるのもいいけれど、
リトルブラックドレスに合わせても映えますなあ。

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はい、小美人よ、ちゃんと贈り主様にお礼を申し上げて。

「すてきなくびかざりをありがとうございました。
だいじにいたします。」

お針当番、この黒ワンピースが大好きで「演奏家のドレス」と
勝手に名づけております。いつかミニチュア楽器を揃えて
揃いの黒ドレスを着せて「キサラカルテット」を作るのが
お針当番の野望。既にドレスだけは執念で4着、
オークションで揃え済み(しかしセットのスカジャンも
4着揃っちゃったわな)。

あとは楽器をちびちび揃えるのみ。弦楽四重奏団にしたいから、
第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリン、ヴィオラとチェロが欲しいな。
これにサイズの合うクラリネットもあったら「キサラクインテット」にして
『クラリネット五重奏曲』演奏の場面に見立てて撮りたいのだけど。
(お針当番は『クラリネット五重奏曲イ長調 K. 581』が大好き)

…じつはですな。

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このたびヴァイオリンを一挺だけ、手に入れたのですよ。
サイズがちゃんと合うかどうかわからないので試し買い。
ちょうど小美人が演奏家のドレスを着たところだったので
試演させてみましたよ。明日はその画像を紹介する予定。
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by ura_hoshimi | 2008-05-19 23:20 | お針当番記す

ふたたびお煙草盆考

【裏当番記す】

先週のお煙草盆ショックの後、つらつら考えてみたのだが。

森茉莉が「天辺にお煙草盆のようなものをのっけていて」と
書いたときにイメージしていたのは(当番が想像したような)
喫煙グッズとしての煙草盆じゃなくて、最初っから髪型としての
「お煙草盆」だったのかもしれない。

お煙草盆という髪型名があることを知らないで、
いきなり「お煙草盆のような」という比喩をポンと出してきたら
おそろしい想像力だと思うのだけど、明治生まれの森茉莉なら
髪型としての「お煙草盆」を知っていてもおかしくないと思うのだ。

でも知っているとしたらお煙草盆の「ようなもの」をのっけていて、
と書かずに「髪をお煙草盆にしていて」と書けばいいようにも思える。
もしかして、森茉莉が見たことのあるお煙草盆の下町っ子と
教科書のお千代お花の髪型は微妙に違っていたのかもしれない。
普通の下町っ子は耳の横を切り下げにはしていなかった、とかさ。

それで、髷の部分はお煙草盆なんだけど他は違う、という意味で
「お煙草盆『のようなもの』をのっけていて」という表現になったのかも。

森茉莉本人か、森茉莉と同じような明治生まれのお婆ちゃんに
「お煙草盆のようなもの」についての当番の誤解と驚きを話したら
あきれて笑われるだろうな。「本物の煙草盆が頭にのっかってるわけ
ないでしょうに。お太鼓結びだってお太鼓お太鼓って言うけど
本物の太鼓が腰にのってると思う馬鹿は居ませんよ。
戦後生まれはこれだから…」とか。

うちのばあちゃんが子供だった頃、お煙草盆にしていた子って
いたんだろうか。ばあちゃんは森茉莉世代じゃなくて、
その子供たちと同じ世代だけれど(ばあちゃんの連れ合い、
裏当番にとっては母方の祖父が森茉莉の長男と同い年。
ばあちゃんはその二つか三つ下だ)。

去年、谷崎潤一郎の『細雪』をちゃんと読んでみたくなって
新潮文庫で買って読んだのだけど、文中にいちいち註があって
巻末にびっしりその説明がついているんで驚いちゃった。
『舞姫』みたいに擬古文調で書かれてるわけでもあるまいし、
現代語の小説にそこまで注釈が必要なのか?って思って。

当時の風俗とか、お店の名前とか、当時走っていた汽車とか。
歴史関係のそういう注釈は裏当番としてもありがたかったんだけど、
思わずのけぞっちゃったのは最初の方で「長襦袢」にまで
註マークがついていて巻末でご丁寧に「着物を着るときの下着」って
解説してあったこと。

長襦袢だよ?平成の読者だって、いくらなんでも長襦袢くらいは
…知らない人もいるのか。高校生くらいで読んでもわかるように
めちゃくちゃ丁寧にしてあるのか。

平成二十年だもんな。高校生なんかもう昭和を知らないもんな。
(長襦袢は昭和を知る知らないの問題じゃないけれど)
でもまあ「長襦袢」という漢字が読めない高校生、というのなら
いまも昔も一定数いそうではある。

『細雪』に、しかも長襦袢ごときで巻末註が要るんだったら
森茉莉の作品なんかどうなるのさ新潮文庫さん!と思った覚えがある。
(新潮文庫からは『私の美の世界』『贅沢貧乏』『恋人たちの森』などが
出ている)裏当番が思いつく限りでも「お茉莉はお雛妓(おしゃく)よ」の
「お雛妓」、「メリンスの元禄」「付紐」あたりから註を入れないと
いけなくなるぞー。

和装に関する言葉、昔の髪型に関する言葉って
興味のある人以外は知らないし、覚える機会も少ないし。
そういえば思い出した。中学の国語で漱石の『坊ちゃん』を
読んだときのこと。裏当番の話ではなく、裏当番の妹の話。

裏当番とその妹とは二歳違いで、当時、裏当番が高校生。
妹が中学生。なぜかその日の食卓には胡麻塩が出ていた。
その胡麻塩をご飯に振りかけながら突然妹が言った。

「そういえば清はさあ、お粥に胡麻塩かけるんだよね」

「清ぉ?」

「『坊ちゃん』の清。私さあ、普通のご飯には胡麻塩かけるけど、
お粥に胡麻塩かけたことってないんだよね。お粥には醤油だよねえ。」

「『坊ちゃん』の清がお粥に胡麻塩かけて食べる場面なんてあったっけ」

「だって坊ちゃんが清の見舞いにいったら胡麻塩の壜があってさ、
坊ちゃんが松山に行くって言うから清が悲しいのを隠そうとして
しきりに胡麻塩の壜をなでるって出てくるじゃん。」

両親と裏当番、爆笑。妹よ、それは「壜」じゃなくて「鬢」だ。
時代劇を熱心に見てるくせに「鬢」がわからなかったのか。
それともわからなかったのは「胡麻塩」が髪の状態を表すことか。

妹の教科書を覗いてみると、「鬢」がひらがなになっておった。
漢字で書かれていれば、少なくとも辞書を引いて確かめたろうにな。
教科書会社が変な気をきかせて一部分を平仮名に直したりするから。

「しかしよく見なよ。『ごま塩のびんの乱れをしきりになでた』
ってなっているじゃないか。壜入りの胡麻塩が乱れるって
おかしいと思わなかったわけ?」

「うん、ずいぶん壜が並んでるんだなとは思った。」

病人の枕元にそんなに胡麻塩ばっかり並べるかあ!
でもまあ、清が胡麻塩の鬢をなでたのが「悲しい顔を
見せたくなくて」というのは合ってるな。試験にそれ出るといいな。
「ごましおのびん」とは何か説明せよ、じゃなくてな。

とまあ昭和生まれの時代劇好きにも関わらず妙な部分で
知識が抜けている人間もいるし、裏当番のように
童女の髪型とロココの帆船のっけ貴婦人とを同列に
想像する人間もいるし。

なにごとにも先達は、というか注釈はあらまほしきことなり、である。
いっぺん、新潮文庫版『細雪』レベルに註をつけた森茉莉、
っていうのを読んでみたい気もする。
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by ura_hoshimi | 2008-05-19 00:11 | 裏当番記す

お煙草盆でズームイン!

【裏当番・後半少しお針当番】

今日の表題を見て笑った人は、きっと森茉莉の愛読者。

森茉莉の連載エッセイ『ドッキリチャンネル』の中に
「ズームイン!!朝!」に出ている(当時)徳光和夫の顔を
こきおろして「お千代、お花の顔」と評したくだりがある。

お千代・お花とは何か、ということについては
裏当番がとやかく説明するより森茉莉本人の言葉を
見た方がいいので、以下、引用。前半は徳光和夫ではなく
久米宏の顔についてなのだが、そこから引用しないと
面白くないので、長いのを構わず抜き出してみる。

(なお、元の文は改行なしで延々と続くのだが、
横書きでそのままだと見づらいので、適当なところで
裏当番が改行を入れた)

ズームイン!!朝!の徳光和夫と、木曜のベストテンに
黒柳徹子と出る人物とはライバル視されていてそれぞれ贔屓が
あるらしいが、私は断然久米宏に軍配を上げる。
贔屓の黒柳徹子の言葉だが久米宏の顔は額だけがいいのではない。
額から先に出来たような顔だが額以外の造作も額にぴったり嵌っている。
黒柳徹子と調子を合せるのも大変なことだ。

ズームインの徳光和夫の方は顔のことは言ってはいけないと思うが
お千代、お花の顔(昔の小学校の読本に出て来た
耳の前にお河童位の長さの髪を切り下げ、あとはひっつめて
頂辺(てっぺん)にお煙草盆のようなものを
のっけていて
母親が「お千代や、魚屋が来たから
このお皿を持って行ってお刺身を作って貰っておいで」
「はいお母様」のお千代の顔。丸谷才一もこの顔だ
つまりいやな顔でいやな腕を振り廻して
「ズーム、イン」とわめかれると朝の気分がこわれるのだ。


強調した「お煙草盆のようなものをのっけていて」という箇所。
これ、当番は今の今まで森茉莉一流の強烈な比喩だと思っていた。

昭和生まれの当番はそもそも「お煙草盆」自体を
間近に見たことがない。これを初めて読んだ頃は
「お盆といえば丸いもの」と思っていたので、頭のてっぺんに
円盤状のものをのっけた女の子を想像して混乱した。

後になって、煙草盆は丸ではなく四角いものだと知ったが
(参考→)知って更に混乱してしまった。

頭の上に円盤がのっているのも変だが、こんな取っ手つきの
長方形のお盆そっくりに髪の毛を結んで頭にのっけるのなんて
どう考えても変だ。しかもそれが小さい女の子の髪形なのだ。
頭の上に帆船のっけてたロココ時代の貴婦人もびっくりである。

本当にこんな髪型の子供がいたとは思えない。
そもそも髪の毛でそんな形を作れるとも思えない。
どうしても「お煙草盆ヘアーのお千代お花」が
イメージできないので、裏当番は仕方なく
「しんしゅーいち♪しんしゅーいち♪おみおつけ♪」
って歌うお味噌のCMに出てくる昔の田舎の女の子
(参考→)を思い浮かべ、そこに徳光の顔を貼り付けて
満足することにした。

(初めて知ったが、「しんしゅういち」は「信州一」ではなく
「神州一」なのであるらしい。そしてあのCMの女の子は
「み子ちゃん」という名前らしい。お味噌の「み」なら、
漢字で書いたら「味子ちゃん」なんだろうか。)

ところがだ。
先週、仕事の休憩時間にネットで昔の髪型を検索していたら
その名も「煙草盆」という少女の髪型が出てきたのだ。
明治時代によく結われた、8歳から12歳くらいまでの
女児の髪型だという。時代も年齢も、森茉莉が言う
「お煙草盆のようなのをのっけているお千代お花」と
ぴったり合うではないか。

「煙草盆」なる髪形を解説したページはこちら
ありがたいことにイラストつきだ。

もともとは、いわゆる「姫カット」の正式名称というか
伝統的には何て呼ぶのがいいのか、を知りたくて
調べているうちに見つけた。どうやらあれは
「鬢そぎ(びんそぎ)」と呼ぶらしい。
なるほど鬢(耳の横の毛)を一部削ぐから鬢そぎね。

「煙草盆」のイラストを見ながら
どうやったらこの形が作れるのか考えてみた。
後頭部の中央に分け目がある。前髪は別にして
後ろ側は現代で言うところの「ツーテール」が
ベースらしい。

まずは後頭部の高い位置でツーテールに結び、
次にそれぞれの毛束を互いに横に渡すようにして
余分を折り返し、納豆を包んでるわらづとみたいに
両端をくくる。この、裏当番には「わら納豆」に見える部分を
煙草盆の上部に水平に渡っている取っ手部分に見立てて
名づけたらしい。

裏当番の想像した手順で、本当に「煙草盆」になるかどうか
手持ちの人形でためしてみたくなった。お針当番を呼び出し、
実験開始。モデルになるのは久々の…

モデル「…はっ(悪寒)!」

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「ええと…お千代や。」
「…はい、お母様っ(怒)。」

久々に箱から出してもらえたと思ったら
こんなことのモデルにされていたくお怒りである。
だって、黒髪長髪で森茉莉が書くとおり
「耳の前でお河童くらいの長さの髪を切り下」げている、
つまり姫カットで、さらに都合よく着物姿の子というのが
ウチには彼女だけなのだから仕方がない。

人形の髪と人間の髪では、頭の大きさに対する
髪の太さの比率が違うので、「煙草盆」部分が
見本のイラストよりも太くなってしまった。
ゴムカタンで結髪、結び目をリボンで隠して撮影。

毛先も隠しきれていないし、そもそもアップ植毛でも
ツーテール植毛でもない子をむりやり結い上げたので
後ろや上からはとても写せないような惨状である。

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「乙女の命、わが至宝の黒髪になんたる狼藉。
お針当番と違って私たちの髪はデリケートなのに、
癖がついたらどうしてくれる。ぶつぶつ。」

すいませんすいません、これ終わったらすぐ解いて
癖がついてたら直しますから。ええと、あれです、
徳光和夫なんかよりずっと美少女ですよ。

「…かみあらうおゆ(怒り三倍増)」

はいお嬢様っ。

この髪型の「お煙草盆」部分。
裏当番には煙草盆の取っ手じゃなくて
どうしてもわらづと納豆に見えるのであるが。
裏当番が森茉莉だったら(どういう状況だそれは)
「頭にわらづと納豆のようなものをのっけていて」
って書くなあ。

しかし納豆では、あの「お煙草盆のようなものを
のっけていて」ほどのおかしみは出ないのである。
あれは煙草盆を知らない戦後生まれの人間をも
勢いで笑わせるだけの力がある。

明治生まれの森茉莉にとっては「煙草盆」は
身近な日用品だったろうし(たしか母親の志計さんか
母方のお祖母さんが煙管で煙草を吸っていたという
文章があったと思う)、たぶん髪型の「煙草盆」も
実際に見て知っていただろう。庶民の髪型のようなので、
お嬢様育ちの森茉莉自身はこの髪型にした経験が
ないかもしれないが。

ところでこの「煙草盆」なるネーミング。
当時この髪型が流行っていたのはいいとして、
本当に一般の人がこの髪型のことを「煙草盆」と
呼んでいたんだろうか。だとしたら、一体誰が
小さな女の子の髪型にそんな渋い名前を
つけたのだろう。

髪結いさんの間での符丁のような呼び名だったんだろうか。
この髪型にしてもらいたい時は「お煙草盆にしてください」と言えば
「はい煙草盆ね」とあっさり通じたんだろうか。

それとも明治時代のヘアカタログ(まさか写真集でも
ないだろうが、当時でも図解されたものが髪結床には
置いてあったんだと思う)に「煙草盆」が載っていて、
指さしで頼めばやってくれたのか?

でもこの髪型、8歳から12歳くらいの女児用なんだよね。
大人の女の人は髪結さんに結ってもらうだろうけど、
一般の家庭ではお母さんが娘の髪を結ってやるんだと思う。
髪型の名前としての「煙草盆」は家庭でも普通に通じたんだろうか。

裏当番が小さい頃、母に「今日は三つ編みにして」とか
「ダイアナにして(アニメ版『赤毛のアン』に登場する
ダイアナ・バリーの髪型。二つに分けて耳の横でみつあみにし、
それを輪にしてリボンをつけたスタイル)」と頼むと、忙しくない限り
その通りに結ってくれたものだが、明治のおませな女の子が
「お母ちゃん、髪の毛お煙草盆にしてぇ」と甘えて注文を出し、
それに母親が「あいよ、お煙草盆ね」と応じる図というのは
ちょっと想像しにくい。

「お千代、お花の髪型」の正しいイメージは獲得できたが、
また新たな疑問が増えてしまった。そして結局、
この髪型をした徳光和夫というのもうまく想像できない。
絵に描いてみようと思ったが挫折した。

まあ、お千代の髪型にした徳光和夫など見たくないから
描けなくてもいいけれど。本日の結論は、明治人の
髪型に対するネーミングセンスおそるべし、そしてやっぱり
森茉莉の悪口のセンスおそるべし、である。お粗末。

追記。

髪型としての「お煙草盆」、イラストこそついてないが
ウィキペディアにも載っていた。なんてこった。

なお、ウィキペディアによれば、納豆(違う)部分の両端ではなく
真ん中部分に子供向けの赤い鹿の子絞りの手絡を巻くそうだ。
あれ、それだったら時代劇で見かけたことがあるかもしれない。
思えば「神州一味噌」の「み子ちゃん」もこの髪型じゃないか?
ということは、み子ちゃんを思い浮かべて徳光の顔を貼り付けたのは
そう見当ちがいでもなかったということね。
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by ura_hoshimi | 2008-05-11 20:05 | 裏チーム入り乱れ

お針当番の連休(前半)

【お針当番記す】

天気の悪い日が続いているため今回は画像なし。
ずっと箱入りのままになってる制服リカちゃん撮りたいんだが。

テレビに映る人出の多さに恐れをなして、
やっと来た連休も家の中で縫い物をして過ごしている。
先週末に亀戸天神に行ったとき拾った風邪が治ってないし。

「伊右衛門」のおまけ手ぬぐいが溜まってきたので
あづま袋(マチつきバージョン)を縫う。山のように縫う。
去年や一昨年に集めたものまで取り出してきて縫う。
お前馬鹿だろってくらい縫う。何かスイッチが入ったらしい。

最初はお弁当包みにしようと思って作っていたのだが
出来上がってみるとちょっとしたモノを仮に入れておくのに
大変都合がいいのだ。「イーネオヤ専用糸24色」とか。
(この人、また新しい手芸を始める気ですよ奥さん)
レース糸の玉ひとつと針と編みかけのレース地とか。

むろん、お弁当包みとしても使う。
一週間日替わりで使えるくらい色柄があるからな。

新発売の「ビューティロングリカちゃん」を見てきた。
あら、チャイナっ子にしては妙にかわいらしい。
目がくりっと大きくて、口元がふんわりと笑ってて
ほっぺたが赤くていきいきしてる。髪色もなかなか好み。

いや、買わなかったけど。
ただ同梱の「髪遊びスティック」をじっと見て
「OK、把握した」などとひとりごちる。
ありゃ昔人間用に売られていたツイストスティックを
人形用に縮めたやつだなあ。お針も昔使ってた。
パッケ記載の「上から下へ」通して捻るだけじゃなくて、
逆に「下から上へ」捻っても面白いんだよ、あれは。

プラスチックコードと絶縁テープを使えば
簡単に自作できそうな気がする(作る気満々)。
そうだそれじゃなくてもウチには髪遊びできそうな
ロングヘアが何人かいたじゃないかと思い出したので
余計な散財をせずに帰ってこられた。

今回の「首がかしげられる新ボディ」対応の子達の中で
お針当番の本命は新フレンド「アリスちゃん」なのだ。
新ボディは欲しいがウチには既にリカ族が3人、
しかも全員日本製。そこにいくら可愛いとはいえ
チャイナっ子を投入するのはなんとなく気が進まない。

それならいっそ新フレンドを、しかし「マリアちゃん」は
どうにも顔が気に入らない。あのおちょぼ口が駄目だ。
それならアリスちゃんだ。アリスちゃん可愛いよ。
プロの子役っぽいこまっしゃくれた幼な顔がたまらん。

店頭に置いてあったカタログを見たら、アリスちゃんだけが
6月発売なのね。だから見本の写真しか見てないけれど、
あの子ってアイプリと口元の雰囲気が「たまき」に似てない?
うちのCG赤毛たまきさんと並べてみたい。

博品館のサイトにも行って、リカクラ67オリジナル
レオタードリカちゃんの新作も見てきた。
うーん、相変わらず67ドールは美少女だ。
この美少女っぷりで2940円とはいつもながら
お財布には多少優しく物欲には大いに厳しい企画。

しかし見送り。姫カットリカはすずさんがいるし、
金髪ゆるウェーブも制服リカちゃん(白)がいるから
安堵の気持ちでお見送り。姫カットリカさんを見ていて
気付いたんだが、お針当番はいわゆる姫カットでも
「下がり端」の部分が短くて幅が広めのが好きみたいだ。
たとえばウチのフローラたんとか、すずさんみたいな。
67の姫リカ様は幅が狭くて丈が長いのね。

67リカ様の金髪の方、紫目ピンクアイシャドウで
制服リカちゃん(白)によく似てる。髪色は67が若干濃いかも。
それと、前髪の植毛の仕方が違うね。

リップも67の方が色が濃いな。濃いパールピンク。
制服ちゃんはパール入りのピンクベージュで
上品なんだけどちょっと顔色が悪く見えるんだよね。
リトファで67金髪さんと同じ色にリペしてもらったら
もっと愛せるかもしれないと心揺れる。
(いや、今愛してないってわけじゃないよ。可愛いよ)
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by ura_hoshimi | 2008-05-04 13:09 | お針当番記す