某所で新月予報を出している「星見当番」の裏日記。裏当番&裏テントチームが執筆を担当


by ura_hoshimi

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スミレの宴・その後

【酩酊しつつ食事当番記す】

下の、「スミレの宴」から続いている話である。
長い話であるが、先に「スミレの宴」を読んでから
こちらを読まれたし(読まれたし、と威張ったところで
辺境中の辺境である裏テントの、こんな長文の日記を
読みに来る人など本当に数少ないのであるが)

ヴァイオレットフィズで酔っ払い、ふわふわした気分のまま
後片付けをしていたら、カクテル用具セットの中に、
小さなしおりが入っているのに気がついた。
メジャーなカクテルのレシピが書かれている。
バラライカ、バービカン、ビトウィーン・ザ・シーツ、
ブラディ・メアリー、ブルー・レイディ、ダイキリ、
グラスホッパー、メイデンズ・プレアー、ピンク・レイディ
サイドカー、S.W.1、ホワイト・レイディー。
…アルファベット順らしい。

ほかに「より刺激的なカクテル」として
エッグノッグ、シャンペン・フリップ、ジン・フィズ、
ウィスキー・サワー、そしてシンガポール・スリングの
レシピが挙げられていた。全部で17種類であるが
食事当番が飲んだことのあるものはブラディ・メアリーと
ジン・フィズくらいで、あとは名前を聞いたこともない。

あ、ビトウィーン・ザ・シーツは小説で名前を見かけたことがある。
セクシーな名前だけど、ブランデーとホワイトラムと、
コアントローが1:1:1でそこにレモンを一振りというカクテルの
どの辺が「ビトウィーン・ザ・シーツ」なのかよくわからない。
すごく強そうなカクテルだということだけはわかるけど、
こんなのを飲んでベッドに行ったら、飲めるけど強くない食事当番など
シーツの狭間でなにやらする前に眠りに落ちてしまうこと確実である。
あ、何かした「後」にベッドで飲むカクテルなのか?これは。

レシピを読み終わって、何気なくリーフレットを裏返したら
そっちの面は基本的なカクテルシェイカーの使い方であった。
「あ、作る前にこれを読んでおくべきだったのかな」と思いながら
なんということもなく目を走らせて、食事当番は噴き出した。
下に挙げたのが、リーフレットの当該部分である。


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文字が見えるだろうか。
見えづらいかもしれないので、食事当番が
その文面を書き抜いてみる(強調は食事当番である)。
なお、文中の「ボディ」とはカクテルシェイカーでお酒を入れる部分、
キャップは天辺についている小さな蓋、ストレーナは
途中で外れるようになっている、小さな穴のあいた中蓋である。

シェーカーの使い方

1.ボディからキャップとストレーナをとって、ボディの中に
カクテルの材料を入れなさい。

2.ストレーナをもとの位置にきちんとはめなさい。
次にキャップをかぶせ、図のように両手を添えて
手短に素早くシェークしなさい。

3.キャップをはずし、適切なグラスにストレーナを通して
カクテルをつぎなさい。



何、このすごく命令口調な「シェーカーの使い方」!!
このカクテルシェイカーセットはTenor Worksというところの
製品らしいのだが、どこの国のものか、というのが
箱のどこにも書かれていない。おそらく外国語で書かれた
リーフレットをそのまま誰かが日本語訳して封入したのだろう。
仮に元の文章が英語だったとして、その元の文章が
どんな感じだったかが容易に想像できるような訳文である。

意味は間違っていない。
元の文章に忠実に、日本語に置き換えたのだろう。
しかし、カクテルの材料を入れなさいというのは
やっぱり日本語としてはおかしいのだよ。
まだ、「カクテルの材料を入れる。」「シェークする」
「カクテルをつぐ」と書いた方が説明文としては自然だし、
口語的にしたいなら「材料を入れましょう」とかだろう。
「カクテルの材料を入れなさい」というのは居丈高で新鮮だなあ。

いっそ、超居丈高な「シェーカーの使い方」にしてしまえばいいのに。

「ボディからキャップとストレーナをとって、
ボディの中にカクテルの材料を入れるがいい。」とかさ。

オペラ座の怪人にカクテル作りを習ってるみたいで
面白いと思うのだがいかが。
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by ura_hoshimi | 2006-05-14 20:54 | 食事当番記す

スミレの宴(長編)

【その1.食事当番とお庭番とスミレの話】

春が遅い北関東でも、スミレの季節はすっかり終わってしまって
庭に植えてあるスウィートバイオレットも葉っぱばかりになった。
スウィートバイオレット(匂い菫)は高校時代にお庭番が
ガーデンセンターで苗を買ってきて庭植えにしたものである。
西洋でスミレ香水の原料にするもので、とても生命力が強い。
スミレの咲く季節になると食事当番が花を摘んで蜜を吸ったり、
砂糖漬けを作って遊んだりする。

中学高校の頃、お庭番はスミレに凝っていて、あちこちの雑木林で
スミレが咲いているのを見かければこっそり掘ってきて植えていた。
掘れない場所にスミレがある時には、種ができる時分を見計らって
種だけを採集してきて庭中に播いた。

濃い紫の普通のスミレ、薄紫のタチツボスミレ、白スミレ、
目についたスミレは何でも植えたが一番強いのは濃紫らしく
ほかの色を植えても次のシーズンには濃紫ばかりが咲いた。

白スミレは『アンの青春』第十三章に登場する花。
アンとダイアナ、ジェーンとプリシラの四人娘が
(プリシラはアンのクイーン学院時代の同級生である)
「人の魂を花に喩えると…」という話になる。
「プリシラの魂は金色の水仙、ダイアナのは赤い、赤いバラ、
ジェーンのはりんごの花、ピンクで、健全で、やさしいのよ」
というアンに、プリシラが「それじゃああんた(アン)のは
芯に紫色の筋が入った白スミレよ」と言う。

それで、お庭番は是非自分の庭にも白スミレがほしいと思った。
ところが先に書いたように、何度植えても白スミレは消えてしまう。
高校に入った年、そのことをクラスメイトにぼやいたら
その年の12月5日、その友人が誕生日プレゼントに
白い花を咲かせる肥後スミレの種とピンクの南山スミレの種を
同封してくれた。懐かしい思い出である。お庭番は喜んで庭に播いたが、
その肥後スミレもいつの間にか消えてしまった。

そしてその次の年だったか、ガーデンセンターで匂いスミレを
手に入れて植えたら、それは日本産のスミレよりも強かったらしく
そればかりが庭いちめんに増えて、他のスミレを駆逐してしまった。
以来、近所の林にタチツボスミレは咲くが、お庭番の庭で咲くのは
西洋種の匂いスミレだけとなってしまった。元の家から引越すとき
匂いスミレも一株だけ掘って一緒に引越し、今の庭に植えた。
そしてその株は、一年でまた庭いちめんに増えた。


【その2.西の都からスミレ弾来たること】

先週の、連休中のことである。
裏チームの郵便受けに小さな包みが入っていた。
開けてみるとそれは西の都に住むYさんからの贈り物であった。
Yさんは三月の京都旅行の折に大変お世話になった人で、
クラシックなカフェーに連れて行っていただいたり、
とある秘密の場所に連れて行っていただいたりした。

その時、仏蘭西産の小さな缶入りのお菓子を頂戴した。
アニスの種を芯にした白い丸い砂糖菓子で、
フラヴィニーという地方の伝統的なキャンディだという。

バラ、オレンジ、肉桂など色々な香味のものがあって
その時頂戴したものはバラの香りのもの。
目の覚めるような鮮烈なバラの香り(天然香料)がして
舐めていると最後に芯になっているアニスの種が出てくる。
その種を噛み潰すと甘いスパイスの香りが立つ。

貴族の婦人が息の香り付けに使うような上品なお菓子である。
じっさい貴婦人の化粧台に香水や白粉と一緒にあっても
違和感のないような、古風な美しい絵のついた楕円形の
白い平たい缶に入っている。言われなければお菓子には見えない。
イギリスのヤードレーの香料石鹸の缶に似た雰囲気である。

そのアニスキャンディの、今度はスミレの香りのものが
送られてきた。なんという偶然、ちょうどそれが届いた日は
食事当番が近所のリカー専門店で「スミレのリキュール」を
見つけて買って帰ってきた日だったのである。
食事当番、狂喜した。これは是非一緒に写真を撮らなければ。

そして一週間。撮影チャンスを待っていたのだが
毎日毎日雨続きで、一向に写真向きの天気にならない。
仕方がないので今日、今にも降りだしそうな中で撮影決行。


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これが、いただいたアニスキャンディの缶。
ピンク色のバラで囲まれたのが以前戴いたもので
こちらは既に食べつくしてしまった。空いた缶に
薔薇色のビロードで作った針刺しを仕込んで
携帯用ソーイングセットを作ろうと思って持っている。

バラの香りの方は、花輪の中心に古風な牧歌調の
男女が描かれているが、スミレの香りの方は
シンプルにスミレと金色の枠と菫色の文字だけでできている。
スミレの缶は、森茉莉の小説や随筆に出てきそうな雰囲気である。


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バラ缶の絵柄を拡大したもの。
女性の膝にはバラの花が一束置かれ、
男性が手に持っている小さな筒から女性の掌に
さらさらと零されているのはアニスの種であるらしい。
(アニスの種は、フラヴィニーの特産なんだそうである)


【その3.食事当番、スミレ弾を味わうこと】

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これが、食事当番が買ったリキュール。
サントリーから出ている「ヘルメスヴァイオレット」というもの。
水彩画調のスミレのラベルが素朴で愛らしい。
「ヘルメス」の名の通り、壜の蓋にはカドゥケウスの浮彫がある。
カドゥケウス(英語読みはキャデューシアス)はヘルメスの杖で
杖の先端に広げた翼がついていて、軸に二匹のヘビが
絡まりあっているものである。

ヴァイオレットリキュールで有名なのはもうひとつ、
フランスの「パルフェタムール」というものなのだが
探しても売っていなかったのでヘルメスヴァイオレットにした。
大体この二つがメジャーであるらしい。
なお「パルフェタムール」とはフランス語で
「完全なる愛」という意味である。


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ヘルメスヴァイオレットと、スミレのアニスキャンディ。
缶の中身は、エンドウ豆くらいの大きさの白い硬い飴である。
どの香りのものも、見た目は皆同じ。これを下さったYさんは
「ローズクォーツやアメシストのような透明な見た目だったら
どんなに素敵だったか」とおっしゃっていたが、なんのなんの。

この香りと美しい缶だけでも充分すばらしいのに、
中身が宝石のような美しい砂糖菓子だったら卒倒ものである。
この地味な見た目だからこそ「知る人ぞ知る」で済むのであって
この缶に桜色透明や菫色透明の粒が入ってでもいたら
美しいもの好きの女性が大勢殺到した挙句高値が付き、
入手困難な幻のお菓子になってしまうに違いない。

いびつなビービー弾みたいで(ビービー弾よりは大きいが)
スミレの香りがすることから「スミレ弾(すみれだん)」と呼ぶことにして
お礼のメールにも「スミレ弾届きました」と書いて送ったら、ウケた。

しかしながら、この中身を食べてしまったら空いた缶に
別のお店で買ったボンボンか有平糖か、何か美しく透明な
小粒のものを入れてみて、「夢の砂糖菓子」の写真を
撮ってみたいという気もあったりはするのである。

「スミレ弾」は、口に入れた途端、実にリアルな
フレッシュな匂いスミレの香りがする。毎年スミレが咲くたびに
摘んでは蜜を舐めている食事当番が言うのだから間違いない。

(スミレの花の袋部分には、甘い香りの蜜が入っているのである。
その蜜の量は、小さな花にしては驚くほど多い。だからスミレの花は
そのまま食べても甘いのである。スミレの蜜を吸うのは知る人ぞ知る
春の楽しみである。その蜜はサルビアよりもホトケノザよりも甘い。
食事当番はこのことを小学校時代に上級生から教えてもらった。)

少し舐めていると、そのフレッシュなスミレの香りは消えて
後から「オリスルート的スミレ香」が現われてくるのがまた不思議。
オリスルートとは、イリス(ニオイアヤメ)の根を乾燥させたもので
伝統的に「スミレの香りがする」と言われている香料である。
ポプリの保留剤(香りを長持ちさせるもの)や香水の原料として
広く使われている。お庭番がポプリ作りに凝っていた時期があったので、
この香りには馴染んでいる。

オリスルートはスミレの香りがする、というがお庭番に言わせれば
フレッシュなスミレとオリスルートの香りは全く違うと言う。
もっと薬草的で苦味があり、スミレ香料のつんとした芳香の中に
ビャクダンプラス何か苦い樹皮のような香りが加わった感じだ。
ポプリの保留剤としてのオリスは、勿論食用ではないので
口に入れてみたことはなかったが、こうしてスミレ弾を含んでみて
オリスルートとビャクダンの香りには共通点があることが
はじめてわかった。食事当番とお庭番にとって新しい発見である。

「スミレの香料」とフレッシュなスミレの香りというのもまた違っていて
香料としてのスミレの方がつんとした青っぽい香りがする。
長く嗅ぎすぎると頭痛がしてくるくらいである。フレッシュなスミレは
もっとふんわりとした甘い香りで、嗅いでも頭痛がすることはない。
なお、天然のスミレの花から取った香料は現在非常に希少であり
「スミレの香料」と言ったら今はほとんど合成だそうである。

その「オリスルート的スミレの香り」がするスミレ弾であるが
これはこれで面白みのある香りである。ただ、バラの香りの
「バラ弾アニスキャンディ」に比べると、かなり癖があるので
好き嫌いの分かれる味だと思う。食事当番は両方とも平気だ。

「バラ弾」が「貴婦人の化粧台が似合いそうな香り」だとすれば
スミレ弾の、苦み走って冷たいスミレと白檀の混合体的香りは、
古い時代の、貴族の血を引く巴里の伊達男に似合う香りである。

森茉莉の小説に登場する「ギドウ」あたりに、こんな香りの
香水(オリスと白檀をベースノートにしたスミレの香水)を
着けていてほしいような感じだ。煙草の香りとも合う香りである。
バラや、ほかの花、果物の香りが煙草の香りと混ざると
実に嫌な香りになるのだが、このスミレ弾の香りならきっと大丈夫だ。
オリスの、白檀とも一脈通じる苦味のある香りが、煙草に含まれる
苦味と甘味の混ざった香りともつながりを持っているからだと思う。


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【その4. 食事当番、ヴァイオレットフィズを作ること】

さてヴァイオレットリキュールである。
ヴァイオレットリキュールは、ゼリーを作るために買った。
表テントの方で「石そっくりなお菓子」を作るのに凝っていて
表当番が好きなフローライトそっくりのゼリーにするため、
菫色と緑色のリキュールが必要だったのである。
緑色のリキュールは「ミドリ」という名前のメロンリキュール。
(これは後日、写真で紹介するつもり)そして菫色のは、
ヘルメスヴァイオレットである。

勿論ゼリーだけでは消費しきれないので
普通にカクテルとして飲むつもりでもある。
ヴァイオレットリキュールを使った代表的なカクテルは
「ヴァイオレットフィズ」というのと「ブルームーン」というのがある。
シェイカーが必要なので、初心者用のカクテル用具セットも買った。
小ぶりのカクテルシェイカーとメジャーカップ、小さなレモン絞り、
ステアするためのマドラー一本、アイスピックのセットである。

カクテルシェイカー、欲しかったんだ。これがあれば
森茉莉の『日曜日には僕は行かない』に登場する
砂糖なしの冷たい珈琲を作ることができる。
普通に氷の上にコーヒーを注ぐのではなく、
カクテルシェイカー(森茉莉式表記では「シェーカア」)に
氷とコーヒーを入れて振り、急激に冷やすのである。


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ヴァイオレットリキュールの色を確かめるために
ためしにガラスの器に少し注いでみた。
フレッシュなヴァイオレットの香りか、スミレ香料の香りを
期待して鼻を近づけてみたが、そのどちらの香りもしない。

最初にわかるのはレモンの果皮の香りだ。ヴァイオレットといっても
スミレの香料だけを使っているのではなく、柑橘類の果皮や
コリアンダーなどのスパイスがブレンドされているので
スミレの香りは案外目立たない。ホンモノのスミレの香りを
よく知っている人が期待して飲むと「えっ?」と思うだろう。
ヘルメスヴァイオレットより「スミレ弾」の方がよっぽどスミレである。

ホンモノのスミレ>スミレ弾>>>>>ヘルメスヴァイオレット
それぞれの香りの印象を不等式で表すなら、こんな感じ。

(コリアンダーの葉っぱの方はエスニック料理でよく使われる
いわゆる「シャンツァイ」であるが、それの種の方である。
シャンツァイとは似ても似つかない甘い香りがして、
焼き菓子によく使われるスパイスである)

色は美しい青紫系である。アメシストよりも青みがあって
やはりヴァイオレットフローライト(菫色の蛍石)か、
あるいはアイオライトという石の色に似ている。

アイオライトは青みの強い菫色をした透き通った石で
「ウォーターサファイア」というフォルスネームでも知られる。
綴りはIoliteである。Io(アイオ)は希臘語の「スミレ」で、
liteは「石」という意味なので直訳すれば「スミレの石」だ。
希臘語ではIoはそのまま「イーオー」と読む。
ゼウスに愛され、正妻であるヘーラーの目から隠すために
白い牛の姿に変えられた美少女の名前でもある。
菫色の美しい瞳をしていたので「イーオー」と呼ばれたそうだ。

なお、森鴎外の孫娘に「五百」と書いて「いお」という名の人がいる。
森茉莉の弟、森家の末っ子である「類(るい)」の娘さんである。
森鴎外の子供・孫の名は一部の例外を除いて全て鴎外が
西洋の名に漢字を宛てて命名した。「いお」も鴎外の命名で
希臘神話の可憐な少女に因んだ清楚な名前である。

神話によれば、白い牛にされたイーオーは
夫の浮気を疑うへーラーによって監視されることになり、
五百ならぬ千の眼を持つ怪物アルゴスがその任に当たったという。
決して眠ることのないアルゴスの監視からイーオーを救うため
ゼウスは息子のヘルメスをつかわした。ヘルメスはアルゴスに
シュリンクスという名の葦笛で眠気を誘う曲を吹いて聴かせ
やっと眠ったアルゴスからイーオーを解放したという。

ヴァイオレットのリキュールに「ヘルメス」の名がついているのも
もしかして命名した人がイーオーの神話を思い出したせいかもしれない。


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用具も揃えたことだし、一番簡単なカクテルを作ってみた。
「ヴァイオレット・フィズ」である。ヴァイオレットリキュール45mL,
レモン果汁20mL、砂糖ティースプーン一杯をシェイクして、
氷を入れた背の高いグラスに注ぎ、ソーダで満たして軽く混ぜ合わせる。
薄紫色の、タチツボスミレみたいな色のカクテルができた。
せっかくなので庭のニオイスミレの葉っぱを摘んで、記念撮影。
ここにホンモノのニオイスミレの花も摘んで添えたかったのだが…
いかにもスミレっぽい、この濃い紫のつぼみはニオイスミレではない。

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一つ前のつぼみは、ヴィオラのつぼみである。
開いた花を、グラスの縁にひっかけて飾ってみた。
だって、できあがったヴァイオレットフィズを飲んでみたら
レモンを絞りすぎたせいかその香りばかりがして、肝心の
スミレの香りがあまりしなかったのだもの。だから雰囲気と
彩りを加えるために、花を挿したのだ。

普通にカクテルを飲ませるお店でヴァイオレットフィズを頼むと
こういうトールグラスで出てくるが、無論花飾りはついていない。
生の花を飾ってみたのは、食事当番の趣味である。
ありえない話であるけれど食事当番がカクテルバーをやるなら、
スミレの花の季節だけはヴァイオレットフィズにホンモノの
ニオイスミレの花を挿して出す。花を持ち帰りたいお客様には、
葉っぱで包んで根元に濡れティッシュをつけてさしあげますですよ。

濃い紫のスミレの花をこうして飾れたら、素敵だったろうになあ。
ヴィオラとヴァイオレットは親戚同士だし、ヴィオラもそれなりに
甘い香りがするのだけど、スミレの香りとは違うのだ。
ヴィオラの香りはスミレほどツンツンしていなくて、
もっと素朴で善良そうな甘い香りなんである。

…なお。
ヴァイオレットフィズにはティースプーン一杯の砂糖が入ることもあり
割と甘くて口当たりのいいカクテルである。レモンの香りも目立つし
「ぜ~んぜんスミレでもないし、さわやかでお酒っぽくないじゃ~ん!」と
油断して飲んでいたら、後から効いた。

喉ごしはまるきりソフトで胃が熱くなったりもしなかったのに、
トールグラスに一杯飲みきってしばらくしたら体が温かくなって
気分がほわんと緩み、完璧に酔っ払った!油断大敵。
ろまんちな色彩をしていて甘くても、これはお酒なのである。
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by ura_hoshimi | 2006-05-14 20:14 | 食事当番記す

連休終了

【裏当番記す】

連休最終日。朝から激しい風雨で家に閉じ込められる。
戴き物をしたので写真を撮りたかったのだけど、
厚い雨雲で光量が足りず、撮影は断念する。

この連休中、丸一日を外出と買い物に費やし、
残りは寝たり起きたりネット徘徊したり妄想したり。
合間合間にジムに行ったり歯医者に行ったり鳥はむ作ったり。
(長かった歯医者の治療がやっと全て完了した。嬉しい)

鳥はむ、6日の夜に茹でて7日に完成。
今回も薄紅色に美しく仕上がり、美味である。
味付けは蜂蜜・塩・黒胡椒・生のセロリ。
鶏肉とセロリの香りはなぜこんなに合うのか。
沢山作ったので当分楽しめそうである。

部屋で育てていたプリンセス・ドゥ・モナコ(バラ)であるが
日照不足で生育が悪く、モナコ大公妃というよりは
フランクフルトのクララお嬢さま的雰囲気である。
日光浴のためにベランダに出していた彼女を見て、
お庭番の母が「瀕死だね」と評するほどのひ弱ぶりである。

もはや室内で育てるのは限界だ。そう判断したお庭番、
「クララ」の転地療養を決意した。要するに庭植えである。
5月5日・こどもの日。クララは初めて庭におりた。
宿根草が何株か身を寄せ合っている一角に、
お庭番母が穴を掘ってクララを植えつけた。
ちょっと狭いがここなら風通しもいいし、日もよく当たる。
プリンセス・ドゥ・モナコよ、ここで丈夫におなり。

お針当番の休日は、型紙を切り抜くことで終わってしまった。
いずれ作ろうと思ってコピーしたまま溜め込んでいた型紙を
全部切り抜いて種類別に分けておこうなんて考えるからだ。
暇なのでCDをかけたり、DVDの音だけ聴きながら手を動かす。

ハリー・ポッターのDVDが安く出ていたので1~3まで買って
もっぱらそれを流し見しつつ(ほとんど音だけ聴きつつ)作業する。

裏当番のご贔屓はハーマイオニーとロンとマルフォイである。
マルフォイ役は初登場時すごく可愛くて理想のマルフォイだったのに、
パート3になって顔が縦に伸びてニキビが出来、急激に可愛くなくなった。
ハーマイオニー役のエマ・ワトソンは回を追うごとに綺麗になっていくけど
個人的には「秘密の部屋」の頃の彼女が一番美少女だと思う。
ロン役のルパート・グリントはどの回もそれぞれに可愛くてすごくいい。
理想的なロンだと思っている。なんでそんなに可愛いんだ。

映画では「賢者の石」にだけ登場しているオリバー・ウッド役もいい。
なぜか凄くカッコいい、笑顔が素敵な美形ウッドだったのだ。
はじめて見た時、不覚にもときめいてしまったくらいである。
「炎のゴブレット(4作目)」のセドリック・ディゴリー役にも、
あのウッド役くらいの美しさを期待していたんだけどなあ。
映画版「炎のゴブレット」はキャスティングに大いに不満ありだった。
チョウ役も、フラー役もあんまり可愛くなかったし。

歌当番のリクエストで三大テノールのコンサートCDを二枚買ったが
(パリ編とNY編)、結局最初に買ったローマ編が一番迫力もあり
選曲も歌当番好みであることが判明した。パリ編の選曲は素敵なんだが
録音がふにゃふにゃで迫力が感じられない。

どのCDにもパヴァロッティの“Nessun dorma !”が入っている。
冬季オリンピックですっかり有名になった「誰も寝てはならぬ」
(とか言うと語弊があるな。元々有名なんだが、オリンピック効果で
更に人口に膾炙した、と書き直しておくか。)

パヴァロッティの十八番である。何度も繰り返して聴くものだから、
歌詞をところどころ覚えてしまった。覚えてしまったからと言って
パヴァロッティと一緒にねっすんど~るま~と歌うのはどうかと思う。
(出だしのところである。サビはまだ覚えきっていない)

三大テノールのCDには各国の名曲が入っているから
言語も英仏独伊西、と色々である(西はスペイン語)。
プラシド・ドミンゴとホセ・カレーラスはスペイン生まれで
ルキアーノ・パヴァロッティはイタリア生まれ。
ウエストサイドストーリーの「マリア」や「アメリカ」なんかを
英語で歌ったりもしているんだが、凄く訛っている。
「オペラ座の怪人」の「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」も
イタリア訛り(スペイン訛り)で堂々と歌う。

その訛り具合が可愛いく聞き続けてると癖になるんである。
ドイツ語やフランス語の歌も、私の耳で聞き分けられないだけで
本当は訛ってるんだろうなあ。

歌当番の現在の野望は「誰も寝てはならぬ」の
イタリア語歌詞を全て覚えることとである。
その次は、「アマポーラ」のスペイン語(らしい)歌詞。
ローマ編CDに入っている「アマポーラ」は実にいい。
実を言えばこの歌目当てで最初にローマ編を選んだんである。
「誰も寝てはならぬ」は最初それほど好きでもなかったのだけど
何度も聴くうちに段々心が傾いてきた。あ、「グラナダ」も好きだ。

切ったり聴いたりしている合間にネット徘徊もした。
挙句の果てにこんなものを見つけた。俺の妹は関羽
あ、現在一番新しいスレッドはこっち俺の妹は関羽4
「関羽」とは三国志に出てくる(らしい)ヒゲの武将である。
なんでそんなものが「妹(萌系の)」たりうるのか。不条理きわまりない。
このスレッドでは、たとえばこんな光景が展開される。


>地響きを立てて長髭の偉丈夫が俺を追ってくる

>「兄者ぁぁぁぁぁぁ!!お弁当をお忘れでござるぅぅぅぅぅぅぅ!!!」


…恐ろしいことである。

なんだってそんな変なものに行き当たったのかというと
さきごろひょんなことから「漢女心」(と書いて「おとめごころ」と読む)
という単語に出会い、ちょっと面白かったのでそれをキーワードに
検索をかけてみたら出てきたんである。

さらにこのスレの姉妹編ともいうべきものを見て、
裏当番はガラスの仮面よろしく白目になった。
ベルばら三国志(まとめサイト)である。
『ベルばら』のセリフを全部三国志の登場人物が演じるという
破壊的スレッドである。トップページのマンガでまずノックアウトされた。
スレッド自体はパート1が一番面白い。パート2からはベルばら以外の
少女マンガの古典からも色々引用されている。

裏当番は、実を言えば三国志のことはほとんど何も知らない。
昔NHKで人形劇をやっていたのをちらっと見ただけだ。
それでもこれらのスレッドは不思議と笑える。
裏当番が笑えるくらいだから、三国志を知らなくても
元ネタの少女マンガを知っていれば充分楽しめるスレだと思う。
ヒゲの生えてるマリー・アントワネットとかに耐えられる人限定だけど。
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by ura_hoshimi | 2006-05-08 00:21 | 裏当番記す

裏チームの外出日

【代表して裏当番記す】

「外出日」という言葉が好きである。
間違いなくメアリー・ポピンズものの影響で。

今日は、裏チームの外出日だった。
ただし食事当番とお庭番は留守番。
表裏両当番と歌当番とお針当番が出動した。

表当番の指令で、髪を切った。
それからコンビニで、人形服のパターンをいくつかコピー。
コピーを取った後、いきつけの布地屋さんで布地を物色。
めぼしい収穫はなかったものの100円端切れコーナーで
ごく濃い薔薇色のチュールレースを購入。一枚しかなかった。
小さな端切れだけど、ドール用のミニ丈ドレスくらいにはなるだろう。

それから裏当番の趣味で『プラド美術館展』を見に行ったが、
絵を見に行ったんだか人を見に行ったんだか
わからないような混雑で一通り観て退散。

その後歌当番の要望で銀座に出る。
映画『プロデューサーズ』を観るためだが、
上映開始の19時までは2時間以上ある。
時間をつぶすために銀ブラ。
銀座に出るとつい足が向くのが八丁目。

結果。
娘が一人増えた。
とうとうやってしまった。

四丁目の交差点まで戻ってきて、
そこから木村屋の前を通過して山野楽器へ。
歌当番のために三大テノールのCDを二枚買う。
歩きつかれたのでお茶を飲んで一休みして、
それから『プロデューサーズ』を観て大いに笑って帰ってきた。

夜も更けたし眠いので、外出記はここまで。
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by ura_hoshimi | 2006-05-05 01:13 | 裏チーム入り乱れ

裏チームの連休

裏日記を書くのをすっかりさぼったまま五月がやってきた。
秘密のあの場所のことを書こうと思っていたのに、
すっかり葉桜の季節である。関東では菫も咲ききってしまった。
おかげで食事当番が「今年はcrystalized violetを
作りそびれた」とぼやいている。菫の花に、刷毛で卵白を塗って
(卵白は、ハーブウォーターかリキュールで少し薄めておくのだ)
グラニュー糖をまぶして乾かした砂糖菓子のことである。

(…西の都の、あの秘密の場所にも菫があった。
正面入り口から左に回った、生垣の根元にひっそり生えていた。
裏チームが見た時は三月の末、桜の蕾の季節で
菫ももちろんまだ葉っぱだけだったけれど、お庭番が
「あれは菫の葉だった」というから間違いはない。
うちのお庭番は、菫の気配には妙に敏感なのだ。
あの秘密の場所の菫も、もう咲ききってしまっただろう。
あと一週間ほどもしたら、種が出来る頃だろうか。

―お庭番いわく、「あの場所には普通の菫と立壺菫があった。
濃紫と薄紫で、菫の咲く頃にはそれは美しかったろう」)

さて、連休である。4月28、29と休みで、5月1、2は仕事、
5月3日から7日までは五連休である。3月4月と小旅行が続いたので
(もっとも4月は自分で望んで行ったわけではなかったが)
五月の連休は遠出はしないで自宅周辺で過ごす。
一日だけ、日を選んで髪を切りに行き、ついでに美術展か
映画にでも行ってこようと思う。


裏チームの連休・予定

食事当番は、2日の夜に鶏ムネ肉を4枚買ってきた。
久しぶりに「鳥はむ」を作る気でいるのだ。
蜂蜜・塩・胡椒をたっぷり揉みこんで、香り付けにセロリ。
5月5日の夜になったら茹でようと思う。
おいしい鳥はむを楽しめるのは連休最後の二日間だろう。
素朴なパンを買ってきて、セロリと粒マスタードでサンドイッチにしよう。

お庭番は、普段なかなか日にあててやれない鉢植えたちを
全部ひなたに出した。マツリカにはもう蕾がついている。
心配なのはバラ。退治しても退治してもハダニが湧く。
よその家にある、地植えのバラたちに比べて葉の数も少ない。
蕾もまだ出ていないし、今シーズンは咲かないかもしれない。
室内でバラを育てるのには、やはり無理があるのだろうか。
しかし新しい葉も出てきつつあるからまだ諦めない。
この休み中にたっぷり日に当ててやるつもり。

お針当番のもとに、新兵器が届いた。
東洋精機工業の「スーパーギャザー」。
普通のミシンに取り付けて使う、ヒダ取り機である。
ふっふっふ。これでギャザーもタックフリルも楽勝だ。
連休のうち一日はミシンデイにしてお針子にいそしむつもり。

歌当番は、最近買った「三大テノールinローマ」のCDに夢中。
何度聴いても飽きない。聴いてるだけで頭痛も治るすぐれもの。
三大テノールの他のコンサートCDも買いたいなあと思っている。
銀座に映画見に行くついでに、買ってくるか。

裏当番の休日は…まずは片付けものだ。
今日はまず、あちこちに産卵散乱している本を拾って
本棚に戻し、ついでに並び順が乱れているのを直す。
お針当番の「スーパーギャザー」を着払いで注文したのに、
なぜか普通の宅配便で届いてしまったのでお金の振込みに行く。
ついでにクリーニングに出した喪服を回収して、
本棚の整理で出た不要な本を売り払ってくる。

まずは部屋の片づけだ。まずは昨日部屋で飲んだ紅茶のポットと
カップを洗わなくちゃ…なんで私の部屋には、こんなにマグカップばかり
並んでいるんだろう。歌当番の三大テノールCDを大音量でかけて
気合を入れて片付けますか。
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by ura_hoshimi | 2006-05-03 11:49 | 裏チーム入り乱れ