某所で新月予報を出している「星見当番」の裏日記。裏当番&裏テントチームが執筆を担当


by ura_hoshimi

カテゴリ:裏当番記す( 57 )

【お針当番記す】

c0054904_014493.jpg

三つ編みリエにはきっとメーテル帽が似合うと思ったので。
夜中に型紙起こしてちまちま縫ってみましたよ。
表地は黒のシール。裏は銀色のサテン。

c0054904_0123465.jpg

かぶせてみたら少し大きかったorz
内寸はこれでぴったりなんだけど、
表地の毛足分だけシルエットが大きくなっちゃう。
クラウンの高さも、あと5mmは低い方がよかったような。

小さな円筒形を縫うのが大変だったし、
表に使ったシール地の毛が飛び散るし、
作り直すの面倒だなあorz

c0054904_0175467.jpg

でも、リエにメーテル帽って似合うのだわ。

(この手の帽子の正式名称が何であるのかお針当番は知らないが、
日本では立派に「メーテル帽」で通用するらしい。検索してみると、
コスプレ屋さんでもないごく普通の帽子屋さんが当たり前のように
「メーテル帽」という言葉を使っているから面白い)

c0054904_0222490.jpg

本家メーテルのように、ただかぶせてあるだけの
メーテル帽もいいけれど、小公女時代の女の子みたいに
リボンで固定しているタイプのメーテル帽もかわいいと思う。

黒い毛皮のもいいけれど、白のメーテル帽でリボンがついてて
おそろいの白い毛皮のケープとマフなんかしてるのって
お嬢様っぽくていいよねえ。

で、その辺にあったリボンでバランスを見てみる。
これ、リボンを縫い付けてあるわけではなくて、
ただ頭頂部から顎に回して結んだところに、
帽子をポンとかぶせているだけ。

本体と同色の黒いリボンでもいいけれど、服が黒とグレーなら
差し色でロイヤルブルーやルビーレッドのリボンでも
いいんじゃないかと思う。その場合は、裏地の色と
リボンの色が合ってるとかわいいよね。

(でも、次に作るならもっと扱いやすい生地にする。
もうシールは使わないぞ!毛抜けがひどくて困る)

c0054904_030340.jpg

アッシュローズのリボン。
黒のメーテル帽に黒いファーのケープとマフ、
マフを吊っているリボンと帽子のリボンがアッシュローズで
その下に着ている服が、アンティークドール風のドレスで
深紅とアッシュローズの濃淡だったりしたらかわいいと思う。
[PR]
by ura_hoshimi | 2009-12-10 00:32 | 裏当番記す
【裏当番記す】

吐き出し注意。

More
[PR]
by ura_hoshimi | 2009-07-18 10:03 | 裏当番記す

小人閑居

【裏当番記す】

昨日、裏当番のところに元親友から
心が落ち込むような手紙が来た。

修業の足りない裏当番、元親友の甘ったれと
無神経ぶりに激怒して、便箋9枚も使って、
そりゃあ厳しい返信をしたためたとさ。
(最初に選んだ便箋がまずかった。
普通の事務用便箋の半分のサイズしかない
ミニレターセットだったんだ)。

手紙に封をしてデスクの上に放り投げて、
それでもおさまらずに裏テント開けて、
経緯をダカダカ打ち出したのが夜中の23時。

ところが0時35分頃になってPCがフリーズしてしまった。
何をやってもカーソルが動かない。ほったらかして
一晩寝ても治らない。これは書くなということなのかと
仕方なく電源を落とした。思えば、元親友がらみのことや
それ以外のことであまりにネガティブな気持ちになって
吐き出そうとPCに向かっていると、三回に一回くらいの割合で
機械がフリーズして文章が消える。

まあ、便箋9枚分プラス画面に向かって一時間半、
毒を吐きまくったおかげで気分はすっきりした。
手紙に封はしたけれど、投函することはないだろう。
しかしながら、眠れないほどのストレスを感じたときの
いつもの症状で、今朝からまた喉が腫れている。

元親友もなあ。書いた手紙を読み返さないタチの人だし
自分の口から出るものの影響をあまり深く考えない人だから
便箋に愚痴ったものをそのまま時候の挨拶(だと当人が思っている
無神経な質問)と一緒にして切手貼って出しちゃったんだろうなあ。
ヤツもそろそろ「出さない手紙を書く」ってことを覚えても
バチは当たらんと思うのだが。

それとも、ヤツへの中元に裏が白いチラシでも送ってやるか。
(自分で使え)
[PR]
by ura_hoshimi | 2009-07-12 14:46 | 裏当番記す

G注意

【裏当番記す】

グロ注意。
イニシャルがFの次に来る文字のアレの話。
本当にグロだから嫌いな人は回れ右で。
そう言えばいままで試したことがなかったけれど、
話題が話題なので記事を折りたたむ機能を使ってみる。

More
[PR]
by ura_hoshimi | 2009-06-13 02:19 | 裏当番記す

いやはや。

【裏当番記す】

今月の頭に忌野清志郎が58歳で死んで、
先週は頼近美津子が53歳で死んだ。

50代の、まだまだ年老いたという年齢じゃない人たちが
続けて亡くなるなあと思っていたら、今度は栗本薫が56歳で死んだ。
彼女もまた、先の二人同様に癌を患っていた。

裏当番は清志郎のことをあまりよく知らないし、
頼近美津子にいたっては、「森茉莉の『ドッキリチャンネル』の中で
森茉莉から“頼近美人”の名前で呼ばれていたあの人か」程度の知識しかない。
過去の生活の中に「あの頃清志郎の歌を聴いていたな」とか、
「あの頃テレビで頼近さんが喋っているのを観たな」という記憶がない。
だから、死んだときいても「えっ、その年齢で(えっ、癌で)」くらいにしか思わない。
その人の死と一緒に、何か自分の大事な思い出も一緒になくなったような
気分にはならない。

でも栗本薫はちがう。
栗本薫は、裏当番の高校時代の思い出と、その中でも
高校で出会った二人の親友の思い出の中に深く根付いている。

その頃の当番は、親友ふたりと、あと数人のクラスメイトとの間で、
節操のないブッククラブもどきをしていた。互いに互いの趣味に染めようと
隙あらば雨アラレと本を貸しつけ、また大量に本を借り受ける。

友人たちと裏当番の間を飛び交う本の弾幕の中に栗本薫があった。
親友のひとり(今はこいつももうこの世にいない)がグイン・サーガ好きで
新刊が出るたびにグループに回してくれた。彼女は栗本薫のほかに新井素子と
ナルニア国物語とアシモフの『黒後家蜘蛛の会』と田中芳樹が好きだった。
裏当番はミヒャエル・エンデと橋本治と森茉莉と稲垣足穂が好きだった。
レイ・ブラッドベリと筒井康隆は二人とも好きだった。

裏当番がグイン・サーガの行方を追うのに挫折した後も
(たしかマリウスがオクタヴィアと結婚する辺りまで読んだと記憶)、
友人は新刊が出るたびに買って読んでいた。
ときどき、「いまグインどうなってる?」と訊いたりしていた。

まさかグイン完結を見ずに親友が逝くとは思ってなかった。
もうヤツが死んで丸五年経ってしまった。

まさかグインを完結させずに栗本薫が死ぬとも思ってなかった。
完結篇が出たら、親友の思い出のために残りの巻を読んで
(裏当番が挫折したのがかなり前だということを考えると
それは結構大変な作業になる気がするのだが)
ヤツの墓前に報告しようかとちらっと思ったこともあったのに。

グイン好きの親友が死んでしばらくしてから、
もう一人の親友と大喧嘩をして疎遠になった。
三年くらい前に謝罪されて、和解の真似事をしたけれど、
前のように親しく会う仲には戻れていない。ごくたまに、
向こうから来るメールに返信するくらい(私は、まだ怒っている)。

今日は、その疎遠になってしまった高校時代の親友から
一年ぶりくらいにメールが来た。話題は栗本薫の死のこと。
たぶん、彼女も高校の頃を思い出したんだろう。

友人知人の中でも一、ニを争う筆不精のヤツが
疎遠になった、しかもまだしつこく怒っているらしい旧友相手に
思わずメールをせずにいられなかった、それくらい衝撃だったんだ。
そして、裏当番自身も、そのメールには返事をせずには
いられなかった。私とヤツと、今はこの世にいないもうひとりのヤツと
三人で山ほど読んだからな、栗本薫。

なんだか、青春時代の名残りまで一緒に消えたみたいだと
旧友は書いて寄越したものである。裏当番自身は、
栗本薫にそこまでの思い入れは既にないけれど。
でも、高校時代は遠くなったなあと思う。
[PR]
by ura_hoshimi | 2009-05-27 23:16 | 裏当番記す

アホか、という話。

【裏当番記す】

前は、毎日していた。
ここ二ヶ月くらい、特に理由もなく、しない日が続いた。
昨日、久しぶりにしようかなという気になった。

まず手を洗い、手探りで穴をさがしたら見つからない。
この段階で軽く冷汗が出る。やっと見つけたと思ったら、
穴にうまく入らない。先端は入るけれど、つっかえてしまう。
たった二ヶ月、しなかっただけで穴が縮んでしまうなんてアリか?
昨日が暑かったせいもあるけれど、ここで汗、ダーっと倍増。

無理に入れようとして中に傷がついても困る。
洗面所に移動して、鏡を見ながら入れることにした。
何度か挑戦して、やっと入った。見たら15分くらい経ってた上に
片方はちょっと力を入れすぎたらしく、血がにじんでた。
それで慌てて消毒薬買いにドラッグストアに行った。

使わないとやっぱり縮んでしまうんだな。
完全にふさがってしまう前でよかった。あぶないとこだった。
以上、「ピアスが通らず、うっかり流血沙汰」というお話。
少々まぎらわしい感じでお届けしました(アホか)。

今まで、寝るときには外していたけれど、
これからしばらくはピアスホールを安定させるために
二十四時間装着でいかないと。

寝るときも着けたまま、ピアスホール安定用ということになると、
ポストが太いタイプのキャッチ式じゃないといけない。
手持ちのピアスは、裏当番の趣味でぜんぶフックタイプ。
ドラッグストアでマキロン買うついでに、樹脂ピアスを買ってきた。
半透明の使い捨てタイプで、三十組くらい入っているやつ。

ヘッドが丸いタイプしかないのかと思っていたけど、
最近はハートとか星とか、かわいい形のもあるのね。
どのみち半透明だから遠目には見えやしないんだけど。
せっかくなのでハートと丸が半々で入ってるタイプを買った。

朝、顔を洗った後と夜、お風呂から出た後、
一日最低二回はかならず消毒。中で貼り付かないように
ときどきポストをくるくる回す(ピアスにさわる前は必ず手を消毒)。
こんなの、最初にピアス穴を開けた時以来だ。
[PR]
by ura_hoshimi | 2009-05-24 23:50 | 裏当番記す

久しぶりに吐き出し

【ものすごく久しぶりに裏当番記す】

(最近ほぼ人形ブログと化してる裏テントだけど、
今回人形の話ありませんから。ここ本来の意味で
裏な話ですから今回は。読みたくない方はUターンプリーズ)





久々に裏当番。もう、や。怖い。吐き出させて。

今日はケータイから二度もオモテを更新したし、
夜はお針当番と化してのんびり型紙の整理でもしようと
もくろんでいたのに。結局お針関係は何も出来んかった。
オモテをアレするだけで精一杯。

冷汗かいた。あー冷汗かいた。怖かった。
どんだけ気が小さいのさ表当番!!

さっさと済ませたかったんだもの。
あれを放置したら、書ききるまで安眠できないと思ったんだもの。
でも、書いてしまってからも怖くて眠れないよ・゚・(ノД`)・゚・。

そりゃタテマエとしちゃ、どこに書いてくれてもいいんだけどさ。
どこに意見をくれたって、くれたことそのものは嬉しいんだけどさ。
普段なら、反応があったってだけで嬉しいんだし。

でもさー。あの内容だったら他の人にも見える場所で
質問してくれても全然問題なかったと思うんだけど。
その方がオモテの主としても気がラクだったんだけど。

だって、ブログ主限定でのメッセージって、普通だったら
他の読者に見られちゃまずい私信を伝える手段だもの。
なんてことない質問なんだから、公開で充分なのに、
わざわざ非公開で送ってくるってことは、これを公開したら
主の方に障りがあると送信者が判断したってことかいな。

その気の回され方(日本語が変)に、ちょびっと凹む表の人。

うん、たぶん気を回したんだろうと思う。単純に疑問に思っただけなら
こっちに質問寄越す前に自分で調べればいい話だものネットなんだしさ。
で間違ってるなら間違ってたで、遠まわしに質問せずに「違うよ」って
言えばいい話だもの。

それこそ「その想像力には点をやりたいが、
古文の解釈としては間違いです」って言えば済む話よ。
これ実際に古文だったか英文だったかを訳するテストで
先生に言われたことがある。だからこういう言われ方なら
当番ぜんぜん平気なんだ。

てことはさ。
やっぱりとても遠回しに、真綿にくるんで、気を回したような形をとって
…(自主規制)…されたんだろうか、オモテ。勘繰りすぎか。
気を回しすぎているのはこっちの方か。被害妄想的か。
でも落ち着かないんだ。

返信先を記載せずに書き置いてくれちゃったもんだから
結局こっちは公開で返答しなきゃならなんだ。記入欄があるから
アレは必須なのだと思ってたら、別に記入しなくても送れるんかい。

個人のメールアドレスに返事が欲しくないってんなら、
最初から公開で質問書いてくれ。ああもう。






不快というより、怖かったんだ。なんか物腰が慇懃な分、
放置したら祟りそうな気がして。ぶるぶる震えながら更新した。
今夜が冷え込んでるせいではないと思う。二箇所くらいだけ、
いつもと変わりないようにしようと思って必死でボケてみたけど
不発な気がする。寒い。

恐怖は猜疑心の母、って誰かが言ってたっけ?
それともこれは今私が思いついてでっちあげた似非格言だっけ?
いま私は怯えている。防衛的になっている。祟りがあるんだとしたら、
私は自分自身の恐怖心に祟られるんだろう。なんでこんなに怖いんだ。
[PR]
by ura_hoshimi | 2009-01-14 01:27 | 裏当番記す

ふたたびお煙草盆考

【裏当番記す】

先週のお煙草盆ショックの後、つらつら考えてみたのだが。

森茉莉が「天辺にお煙草盆のようなものをのっけていて」と
書いたときにイメージしていたのは(当番が想像したような)
喫煙グッズとしての煙草盆じゃなくて、最初っから髪型としての
「お煙草盆」だったのかもしれない。

お煙草盆という髪型名があることを知らないで、
いきなり「お煙草盆のような」という比喩をポンと出してきたら
おそろしい想像力だと思うのだけど、明治生まれの森茉莉なら
髪型としての「お煙草盆」を知っていてもおかしくないと思うのだ。

でも知っているとしたらお煙草盆の「ようなもの」をのっけていて、
と書かずに「髪をお煙草盆にしていて」と書けばいいようにも思える。
もしかして、森茉莉が見たことのあるお煙草盆の下町っ子と
教科書のお千代お花の髪型は微妙に違っていたのかもしれない。
普通の下町っ子は耳の横を切り下げにはしていなかった、とかさ。

それで、髷の部分はお煙草盆なんだけど他は違う、という意味で
「お煙草盆『のようなもの』をのっけていて」という表現になったのかも。

森茉莉本人か、森茉莉と同じような明治生まれのお婆ちゃんに
「お煙草盆のようなもの」についての当番の誤解と驚きを話したら
あきれて笑われるだろうな。「本物の煙草盆が頭にのっかってるわけ
ないでしょうに。お太鼓結びだってお太鼓お太鼓って言うけど
本物の太鼓が腰にのってると思う馬鹿は居ませんよ。
戦後生まれはこれだから…」とか。

うちのばあちゃんが子供だった頃、お煙草盆にしていた子って
いたんだろうか。ばあちゃんは森茉莉世代じゃなくて、
その子供たちと同じ世代だけれど(ばあちゃんの連れ合い、
裏当番にとっては母方の祖父が森茉莉の長男と同い年。
ばあちゃんはその二つか三つ下だ)。

去年、谷崎潤一郎の『細雪』をちゃんと読んでみたくなって
新潮文庫で買って読んだのだけど、文中にいちいち註があって
巻末にびっしりその説明がついているんで驚いちゃった。
『舞姫』みたいに擬古文調で書かれてるわけでもあるまいし、
現代語の小説にそこまで注釈が必要なのか?って思って。

当時の風俗とか、お店の名前とか、当時走っていた汽車とか。
歴史関係のそういう注釈は裏当番としてもありがたかったんだけど、
思わずのけぞっちゃったのは最初の方で「長襦袢」にまで
註マークがついていて巻末でご丁寧に「着物を着るときの下着」って
解説してあったこと。

長襦袢だよ?平成の読者だって、いくらなんでも長襦袢くらいは
…知らない人もいるのか。高校生くらいで読んでもわかるように
めちゃくちゃ丁寧にしてあるのか。

平成二十年だもんな。高校生なんかもう昭和を知らないもんな。
(長襦袢は昭和を知る知らないの問題じゃないけれど)
でもまあ「長襦袢」という漢字が読めない高校生、というのなら
いまも昔も一定数いそうではある。

『細雪』に、しかも長襦袢ごときで巻末註が要るんだったら
森茉莉の作品なんかどうなるのさ新潮文庫さん!と思った覚えがある。
(新潮文庫からは『私の美の世界』『贅沢貧乏』『恋人たちの森』などが
出ている)裏当番が思いつく限りでも「お茉莉はお雛妓(おしゃく)よ」の
「お雛妓」、「メリンスの元禄」「付紐」あたりから註を入れないと
いけなくなるぞー。

和装に関する言葉、昔の髪型に関する言葉って
興味のある人以外は知らないし、覚える機会も少ないし。
そういえば思い出した。中学の国語で漱石の『坊ちゃん』を
読んだときのこと。裏当番の話ではなく、裏当番の妹の話。

裏当番とその妹とは二歳違いで、当時、裏当番が高校生。
妹が中学生。なぜかその日の食卓には胡麻塩が出ていた。
その胡麻塩をご飯に振りかけながら突然妹が言った。

「そういえば清はさあ、お粥に胡麻塩かけるんだよね」

「清ぉ?」

「『坊ちゃん』の清。私さあ、普通のご飯には胡麻塩かけるけど、
お粥に胡麻塩かけたことってないんだよね。お粥には醤油だよねえ。」

「『坊ちゃん』の清がお粥に胡麻塩かけて食べる場面なんてあったっけ」

「だって坊ちゃんが清の見舞いにいったら胡麻塩の壜があってさ、
坊ちゃんが松山に行くって言うから清が悲しいのを隠そうとして
しきりに胡麻塩の壜をなでるって出てくるじゃん。」

両親と裏当番、爆笑。妹よ、それは「壜」じゃなくて「鬢」だ。
時代劇を熱心に見てるくせに「鬢」がわからなかったのか。
それともわからなかったのは「胡麻塩」が髪の状態を表すことか。

妹の教科書を覗いてみると、「鬢」がひらがなになっておった。
漢字で書かれていれば、少なくとも辞書を引いて確かめたろうにな。
教科書会社が変な気をきかせて一部分を平仮名に直したりするから。

「しかしよく見なよ。『ごま塩のびんの乱れをしきりになでた』
ってなっているじゃないか。壜入りの胡麻塩が乱れるって
おかしいと思わなかったわけ?」

「うん、ずいぶん壜が並んでるんだなとは思った。」

病人の枕元にそんなに胡麻塩ばっかり並べるかあ!
でもまあ、清が胡麻塩の鬢をなでたのが「悲しい顔を
見せたくなくて」というのは合ってるな。試験にそれ出るといいな。
「ごましおのびん」とは何か説明せよ、じゃなくてな。

とまあ昭和生まれの時代劇好きにも関わらず妙な部分で
知識が抜けている人間もいるし、裏当番のように
童女の髪型とロココの帆船のっけ貴婦人とを同列に
想像する人間もいるし。

なにごとにも先達は、というか注釈はあらまほしきことなり、である。
いっぺん、新潮文庫版『細雪』レベルに註をつけた森茉莉、
っていうのを読んでみたい気もする。
[PR]
by ura_hoshimi | 2008-05-19 00:11 | 裏当番記す

振袖祭りは一時休止

【裏当番記す】

「いちじきゅうし」と打って変換したら「一時急死」と出てきた。
縁起でもない。だいたい急死したら永遠に死んだままじゃないか。

表テントでも書いたが、オモテの稼業が大変なことになっている。
とは言え、一介の平社員である身には手に負えない事態だし、
手を出すべきことでもないので、その日自分で出来ることを
黙々と進めて、やり終えたらさっさと帰ってくることにしている。

明日の夜は前々からの約束があって、取引先の店に
出向かなければならないのだ。行きたくないな。
それ以前に本部に出勤したくないんだが。
でも仕方がない、歯を食い縛って行くしかない。

忙しくて疲れているんだが、同時に興奮もしているらしく
休息を取りたいのについ遅くまで起きて色々やってしまう。
いつもなら仕事の行き帰りは電車の中で仮眠するのに、
ここ二三日はずっと本を読みまくっている。
ちょうど今読んでいる小説が佳境に入って
途中でやめられないというのもあるのだけど。

そして、寝る前には取り憑かれたように刺繍をしている。
ほっとくといくらでも刺し続けてしまうので
「一晩に刺繍糸1本で刺しきれる分だけ」と
自分に規制をかけている。

裏テントも、画像の続くかぎり連続更新しようと思っていたのだが
ゆうべはさすがに疲れて更新をとりやめた。明日も帰りが遅いので
更新は無理そう。週末に振袖祭りの続きをするつもり。
[PR]
by ura_hoshimi | 2008-01-18 00:16 | 裏当番記す

語るに落ちたな。

【ブルーブラック裏当番記す】

ココロは万年筆のインクよりブルーでブラックな裏当番記す。
暗い暗い吐き出し話なので、通りがかりの方は読まぬが吉。

今朝、朝の5時半に起きたら雨が降っていた。
早朝から開いている都内の書店に行くつもりで
着替えて6時半に家を出たのだが、駅まで行った時点で
お財布を忘れたことに気付いて引き返す。

帰宅すると、バスルームの明かりがついている。ヤツだ。
ちょうどいい。用があったのだから待たせてもらおう。
裏当番はバスルームのドアが見える位置にある椅子に座った。

ヤツは、裏当番及び家族の他のメンバーと生活時間帯が違う。
「時間的棲み分け」のつもりらしいが笑止千万である。
平日の昼間、他の3人が仕事に出ている間と、休日の明け方だけ
ヤツは「下界」に降りてきて自分の分の洗濯や食事をし、
玄関に花を活ける。

裏当番はこの玄関にある花が大嫌いだ。
取り澄ましたようなセンスのいけ好かない花たち。

ヤツが花を飾るのは玄関を居心地よくするためのものではない、
示威行為なのだ。ヤツの居室のベランダには花活け用の植物が
鉢に植えられて沢山並んでいる。しかしヤツは裏チーム側のベランダに
かつて並べておいた、お庭番鍾愛の鉢植えバラの土に
平日の昼間、お庭番が留守の隙に塩を盛った。
帰宅したお庭番が泣きながら塩を取り除いたが、
その時のバラは死んでしまった。

またある日、たまたま仕事先で貰ってきた花束を
リビングの花瓶に活けておいたら、翌日留守の間に
花瓶ごと捨てられた。

オーブンの天板も、食事当番が焼き菓子を作るという理由で
留守中にどこかに持ち去られた。洗濯物をうっかり放置したら
裏チームの分だけが持ち去られたこともある。

リビングのカーテンも、ある日帰宅したら剥ぎ取られていた
(これは裏チーム絡みではないが)。
食器棚の中の、割れるもの全部が割られていたこともある。
冷蔵庫の中身が、全て(本当に全て)消えていたこともある。

何か気に入らないことがあると、ヤツはそういうことをする。
一番ターゲットになりがちなのは、裏チーム(の宿主)である。
留守中に来た郵便物のうち、裏チーム宛のものを抜きとって
どこかに隠したり捨てたりする(他のメンバー宛は無事)。

通販の商品で、まだ支払いが済んでいないものが
箱の上からめちゃくちゃに踏みつけられた状態で
クロゼットの奥から一週間後に発見されたこともある。

ネットを介して制作をお願いしたアクセサリーが郵便で来た時は
勝手に「受取拒否」と封筒に書き込んで返送しやがり、
ショックを受けた製作者様から連絡があって露見。
依頼者だった表当番が平謝りに謝って着払い宅配便で
日曜に届けてもらったこともある。

見つかるのならまだいい方だ。大抵のものは
闇から闇へと消える。部屋に溜め込んでいるものか、
それとも右から左へ捨て去るのか。

だから裏チームは今までなるべく自衛してきたのだ。
届く予定がわかっているものは、なるべく夜間配達にしてもらう。
そうじゃなければ休日に配達してもらう。普通郵便はいつ来るか
わからないので、時々重要な書類が裏チームの分だけ届かない。
(住民税の納付書とか。他のメンバーのものは無事)

しかし最近、普通の郵便物で平日昼間に届いたと思しいものが
無事に裏チームの手に入るという平和な日々が続いた。
さよう、ここ2、3ヶ月ほど。それでうっかり油断した。
オークションで落とした「タカラ製 小美人ドール」、
夜間配達を希望せずにそのままお金を振り込んでしまった。
送料のみ着払いのヤ○ト運輸。

15日に入金して、二日待っても来ない。不在票も入ってない。
出品者から宅配便伝票番号を聞いていないので状況を確認できない。
18、19日と過ぎてさすがに不安になったので出品者に連絡。
出品者の方から宅配業者に確認してもらう。

結果。「17日に配達、受領済み」との通知。
両親が受取っていないとすると、後はヤツしかいない。

ちょうどいい。確認させてもらおうじゃないか。
今度という今度は裏当番もアタマに来た。
しかし他の荷物ならいざ知らず、今回の第一目標は
ヤツを責めることではなく、小美人を無事な姿で取り戻すこと。
無事に裏チームの手に小美人が渡れば、もう何も言わない。
立て替えた着払い料金に重ねて預かり手数料だって払っちゃる。

だから裏当番は待った。バスルームのすぐ外で。
洗濯機の回る音とシャワーの音がする。いつまでも待ってやる。
どんなに長くかかっても、出てこないわけにはいかない。

十数分経過。スライドドアが開いてヤツが顔を出す。
途端、ヤツの視野に椅子に座って待ち構える裏当番が入る。
ヤツ、慌ててドアを閉めてまたバスルームに閉じこもる。
裏当番、廊下の壁に手をついてバリケードをつくり、更に待つ。

更に十数分。とうとうヤツが出てきた。
裏当番、当然壁に手をついて進路を妨害。
ヤツがこちらをにらみつけるのを待って口をひらく。

「火曜日に(裏当番註:17日)。
私宛の宅配便を着払いで受取ったでしょう。
立替えてくれたお金を払うから、荷物を渡して頂戴」

もはや、「受取った?」などと確認はしない。
確認すれば「知らない」と言うに決まっている。ヤツは黙ったまま。
素直に渡すとは思っていないが、何か言うまで通さないつもり。

ヤツ、右に左に逃げ道を探そうとする。
裏当番、当然ながら右に左にとヤツの進路を阻む。
とうとう、肩の高さでバリケードを作っている裏当番の、
腕の下を掻い潜って逃走しようと試みる。
させじと裏当番、潜ろうとした頭を利き手の左掌で押し戻す。
それでも逃げようとするので手首を掴んでやや大きめの声で
「荷物を渡して」と言う。ヤツは黙ったままひたすら逃げようとする。
逃がすか愚か者め。

ところで、バスルームに一番近いのは両親の寝室である。
この時、時間は朝の7時45分頃。聞きつけた父親が起きてきて
裏当番とヤツの間に入る。裏当番がこれ以上ヤツに近づいたり
触れたりできないように裏当番の利き腕を押さえながらも、
同時にヤツがこれ以上逃げられないように通路をふさぐ。

「後で俺から訊くから。お前は向こう(寝室)に入ってなさい」
と父親は言う。誰が入るものか。そして、ヤツを戻らせるものか。
裏当番は動かず、無言で拒否する。そしてもう一度言う。

「お金は払うから、荷物を渡して。」

父親がヤツに、目顔と何か短い言葉で問う。
ヤツはしばらく黙っていたが、父親の陰から小さく言った。

「人にものを頼む態度じゃない。」

聞き取れなかったらしく「なに」と父親。

「人にものを頼む態度じゃない。」

語るに落ちたな。
「人にものを頼む態度じゃない」と来たか。
ふーん、じゃあ人にちゃんとものを頼む態度で頼めば
あんたは不当に隠している私宛の荷物を出すのかい。

つまり、あんたが荷物を受取っていることは事実なんだね。
バカなのか確信犯(言葉本来の意味の確信犯である、ヤツは。
裏当番がヤツに奉った綽名は「家庭内テロリスト」である)なのか、
ヤツは「そんな荷物など知らない」とは言わないのだ。

父親は、裏当番がヤツの頭を掌で押し戻した所は見ていないが
ヤツが言うのはそのことを指してだろう。裏当番に言わせれば
「人のものを盗んでおいて言う台詞じゃない」。言い方はきついが、
こいつは盗みだ。しかもヤツは常習犯。盗人猛々しいとはこのことである。

そう言い返してやりたかったが、盗みなどという言葉を使えば
親はショックを受けるだろうしヤツは自分を棚に上げて逆上するだろう。
「語るに落ちたな」とも言ってやりたかったが、ぐっと我慢する。
何度も繰り返すが、今回はヤツを責めることよりも、
無事に小美人を取り戻すことこそが大事なのだ。
だから、裏当番は歯をくいしばってその言葉をのみこんで、
代わりに言う。

「じゃあ何て言えば返すのかしら?」さすがに声が尖る。

「もうやめろ。俺が後で訊く」と父親が割って入る。
その隙にヤツは自室へ逃走。裏当番は怒りのまま硬直する。
父親が話を聴くから部屋に入れ、でなければとりあえず座れと
促すが、裏当番は座る気などない。自室に戻るふりをして
そのままヤツの部屋の前(当然扉は閉まっている)に行き、
声をかける。無論返事などない。

そうかいそうかい。
幸い、今週末は時間はたっぷりあるのよ。
あんたが次に部屋から出てくるまで(トイレにゃ行くだろうから)
ゆっくり待たせていただくわ。無事な姿で小美人を返せばよし、
それまではいくらでもここで静かに座っていてやる。
もしも捨てたり傷つけたりしていたら、今までの分を含めて
裏当番の気が済むまで思う存分罵らせてもらうからね。

もうこちらから手は出さない。あんたに口実を作ってやるだけだから。
あんたの方からうんざりして手を出したら、いっそその方がいい。
今まであんたが捏ねた屁理屈を倍返しにして、○○送りにしてやる。

むろん、ただ座って時間を無駄になどしない。
裏当番は自分の部屋からでかいクッションを三つ持ってきて
ついでにポタの第6巻原書も持ってきた。携帯電話も手元に置いた。
最終巻が手元に来るまでの復讐、いや復習タイムにぴったりだ。
廊下の明かりをつけて、くつろいで読書に入る…が、怒りの涙で
視界がぼやけ、文章がアタマに入っていかない(当たり前だ)。

十数分後、父親が来て裏当番、発見される。
黙ったまま、だいぶ頑張ったのだが結局説得されて
裏当番は自室に戻ることにする。しかし怒りに体が硬くなり
立ち上がるのがつらい。

部屋に入って、PCに三大テノールのDVDを入れる。
何も考えないで済むようにヘッドホンをセットして
お針当番愛用の裁縫道具をベッドの上にひろげる。

文章を読める状況ではないとわかったので、
お針当番にバトンタッチして音楽を聴きながら縫い物をする。
縫うのは、作りかけで止まっていたドール用振袖(袷)。
最後の二着だけ、襟のまつり直前までで放置してたから。

縫い物は、いつでもアタマを冷やし心を落ち着ける役に立つ。
それに…もし、もし最悪の事態が現実になって、
小美人がいったんは裏チームの眼と鼻の先まで来ていながら
捨てられた、とか破壊された、なんてことになってたとしたら。

お針はココロに開いた穴を、今いる娘たちを愛でることで
埋めていくことになる。実に三年越しの未完作品である振袖を
完成させることは、小美人が無事でも無事じゃなくっても
ひとつお針当番のココロを明るくさせる事柄である。
だから、この部屋にいる間はお針は振袖を縫って待つ。

縫ってる振袖に恨みがこもったらなんとしよう。
恐怖!振袖人形の怨念。着せる前にお祓いしなくっちゃね。

父親が頃合を見てヤツに声をかけると言うが
もしそれが何の変化ももたらさなかったら。
お針は再びブルーブラック裏当番に出番をゆずって
夜通しでも本をかかえて廊下に座ってやるつもり。

この週末、二日だけだから。
二日座ってダメだったら諦めて忘れる努力をするから。
今はひたすら、纏り縫いをしながら時を待つ。
[PR]
by ura_hoshimi | 2007-07-21 16:26 | 裏当番記す