某所で新月予報を出している「星見当番」の裏日記。裏当番&裏テントチームが執筆を担当


by ura_hoshimi

Dress Coquettish Kimono略してDCK。

【お針当番記す】

さて、少しは楽しい話題を書こう。
買ってからずっと書きたかった本の話。

先月。日本橋丸善(現在改装中で仮店舗なり)に行って
手工芸関係の本棚を見るともなく眺めておりましたら。
その脇のコーナーに平積みされていた、なんだか牡丹色の表紙が
目についたんであります。

牡丹色の表紙、下半分が同じ牡丹色と白の矢羽模様。
他愛もない理由で、ここ数年矢羽模様が好きになっているので※
「おっおっおっ」とついそっちを見てしまう。

手に取って眺めてみれば、その牡丹色と白の矢羽模様は
表紙イラストの女性が着ている着物の模様。

壁にでもよりかかるみたいに、膝を三角に立てて座り、
片腕を後ろ手について肩越しに振り向き、細身のキセル片手に
こちらに流し目をくれている姐さんの、キセルの先から出る煙に
小さく浮かんだDress Coquettish Kimonoの黒い文字。
その上部にレースみたいな白いアラベスク模様の囲みがあって、
その囲みの中に白文字で『色っぽいキモノ』と題字。

頬の高い部分と厚めの唇が同じピーチピンクにぽっと染まってる。
髪は焦茶で、短めのぱっつん前髪なのかそれともポンパドゥールなのか
題字がかぶさっていてちょっと判然としないけれど、頭頂部の前寄りに
ちっちゃく黒い蝶リボンがついているからポンパドゥールなのかもしれない。
その黒いちっちゃいリボンが、蝶々みたいにも見えて愛らしい。
残りの髪はゆるくカールしながら、腰より長く垂らしているみたいだけど
画面が切れていてどこまで長いのかはわからない。

金色の帯(本の帯である)を取ってみると、この牡丹色矢羽姐さんの
締めている帯は抹茶色にもう少し黄色みを足したような
鮮やかで深い黄緑色だとわかる。結びはどうやら文庫らしい。
わかりにくいけど少なくともお太鼓じゃない。

帯揚げは白で、帯締めは黒。帯留がかわいくて、大きくてピンク色の
ニセモノ宝石風、石の直径は等身大に換算したらゆうに5~6cmはありそうな
八角形っぽいのの脇に、白い小さな石(直径が帯締めの幅と同じくらい)が
二粒並んでくっついている。多分、反対側にも同じ白いのが二粒あるんだろう。
ニセ真珠かな、それともニセダイヤかな。どちらにしても、やーんカワイイっ。

キセルを持っている姐さんの指先には、黒いマニキュア。
それも、付け爪の長ーいのじゃなくて深爪しすぎたのか、
それとも姐さんに爪を噛む癖でもあるのか豆粒みたいな短い爪に
黒いエナメルをぽちんぽちんと律儀に塗ってあるのだ。
指先に黒豆が付いてるみたいでなんかかわいい。

金色帯の惹句「虜にさせる!姐さんテイスト練習帖 
ちょっと差をつけて着こなす」にはちと「うへぇ」と思ったものの
表紙がかわいいもんでふらふらっと手に取り、何ページかめくる。
15ページまでナナメに読んだところで、購入を決意。

帯についている内容説明より―
「花魁、芸者の域な着こなしを、映画、歌舞伎、美人画などの
ビジュアルでわかりやすく解説」

その説明どおり挿絵・写真が満載。どの「姐さん」たちの着姿も
色気・可愛げ・迫力満点、そしてあでやか。うちの姐さんや
新入りの「たまき」に着せる着物を縫うのに参考になりそうな
かっこいい、あるいは可愛い色柄が沢山載っている。

それに、荷風や鏡花の小説なんかから粋な芸者を描写した場面の
引用があったり、吉原の花魁たちがどんな着物をどう着ていたか、
なんていうのが文章で説明されていて、これにもお針、興味深深。

おまけに「姐さんテイスト練習帖」と銘うちながら、
森茉莉の着物エピソードまでがちらりと登場すると来ては、
これが買わずにいらりょうか。ドール用に着物を縫うようになってから
参考として人間の着物本は随分買ったけど、これは久々の当たりだわ。

帰って、読む。読む。熟読する。笑う。また読む。笑う。
うん、これはいいわ。うちの史子姐さんと「たまき(仮)」も
この線で行こう。すず子さんは…どうしようか。
彼女は小悪魔だけど、姐さんテイストには早いような。

(「たまき(仮)」というのは、彼女はまだデフォルト名のみで、
「うちでの呼称」を考えていないから。名前、似合ってるし
そのまんま「たまき」でもいいんだけど。)

以下、何回かに分けて『色っぽいキモノ』を読んでいて
当番が反応した箇所について書いて行きたいと思う。
あ、『色っぽいキモノ』は井嶋ナギ 著 河出書房新社・刊。

(そういえば、森茉莉のムックを出したのも河出書房新社だった。
橋本治の本でも奇書中の奇書『アストロモモンガ』を出したのも
河出書房だし。裏チームの本棚で幅を利かせている出版社の
ひとつが、この河出書房である。)

これを書く前に思いついて検索してみたら、
著者・井嶋ナギのブログを見つけた。ブログのタイトルは
その名も放蕩娘の縞々ストッキング βである。
(なんか、タイトルのつけ方がウチの表当番に似ていて親近感)

最新記事に『色っぽいキモノ』の表紙イラストも載っている。
最近の記事を読んでみたけれど、画像がいっぱいで
文章も本で読んだのと同じ、愉快な姐さん調でなかなか楽しい。
着物やお洋服のネタ探しついでに、しばらく通って読み耽るつもり。

それでは、‘Dress Coquettish Kimono’ 
略してDCKネタ in 裏テント、数回続く予定です。
お楽しみに(って、楽しみに読む人はかなり限られている裏テントだが)。

追記

※他愛もない理由で矢羽模様が好き

お針当番は自分では着物を着ない。ドールに着せて楽しむだけ。
理由は、サイズの限界というトホホなものである。お針当番とて
着物ライフに憧れはあるが、身体が横に大きくかつ縦にも大きい上、
肩幅が広く、身長の割に腕が長いという四重苦なので
仕立て上がりの着物に自分のサイズがあったためしがない。
着ようと思ったらいきなり「お誂え」から始めることになるので
二の足を踏んでいるんである。

(最近は、母親や祖母の世代の丈の足りない着物を
現代っ子の娘世代が対丈で着るのも「アリ」になっているが
例えば小柄なうちの母の着物をお針が着ようとすると、身長差がありすぎて
対丈でも足りないし、どんなに裄出ししても追いつかないんである。)

そんなわけで着物は着ないお針当番だが、
きれいな和柄の布地や和小物を集めるのは好きだ。
色々集めていると、自分の身近に置いて使うものには
何か「自分に因んだもの」がモチーフのものを揃えたくなる。
たとえば、生まれ年の干支で揃えるとか、そういうことだ。

ところが、お針当番は寅年生まれなのである。
干支模様の和小物で寅モチーフのものは、どんなに探しても
いまひとつお針当番の琴線に触れない。可愛くないのだ。
変に猫っぽい虎もイヤだし、虎らしい虎もイヤ。
トラジマの小物を持っていて阪神ファンと思われるのもイヤ。

(阪神がイヤなのではなく、野球について何も知らず興味もないため。
虎グッズを見て野球の話題を振られたりすると困ってしまうんである。)

なぜ卯年や子年に生まれなかったか。辰年でもよかった。
ウサギやネズミなら、かわいい干支グッズが沢山ある。
戌年でもよいな。お針当番は犬が大好きだ。
辰年、妹の生まれ年であるがこれまた干支グッズがカッコいい。
矛盾しているかもしれないが龍モチーフのグッズを持っていて
ドラゴンズファンに間違われるのがイヤだとはなぜか思わない。

酉年だってよかったんだ。ニワトリ柄はちと剣呑だけど
「ヒヨコモチーフ」や他の鳥類に逃げることができる。
丑年は…ホルスタイン模様で笑いを取れるかもしれない。
午年でもいいな。馬も好きだ。お針当番、射手座だから
馬には縁が深いし…待てよ射手座?

そうか、干支にこだわるこたぁなかったんだ。表当番の趣味に合わせて、
生まれ星座に因んだ和柄小物を集めてみるのも面白くはないか?
さすがに「半人半馬模様の和柄生地」なんていうのは
男物の長襦袢にも、羽織裏にもなさそうではあるけれど
(そんなのを着ている男性が本当に居たら尊敬する。)
射手座のもうひとつのシンボル「弓矢」の模様だったら
和の世界にも沢山ある筈だ。そうだ、「矢羽」があるじゃないか。

そんな回りくどいが他愛もない理由で、お針当番
俄かに「矢羽模様スキー」となったのである。
紫色と濃紺は射手座に縁の深い色、濃紫と白の矢羽模様に
「幸運の馬蹄モチーフ」のピューター製チャーム※をつければ
射手座コーデ完成だわ、とひとり満足の笑みを浮かべている。
ブックカバーと、その栞の先に付けるチャームの話だけれど。

※ピューターは錫を主体に銅やアンチモンを加えた合金。
占星術や錬金術で、錫は木星に関係づけられている。
木星は射手座の支配星なので、錫及びピューターも、
射手座のゆかりと言えば言えなくもないのである。

以上、脱線終わり。
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by ura_hoshimi | 2006-11-12 17:50 | お針当番記す