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某所で新月予報を出している「星見当番」の裏日記。裏当番&裏テントチームが執筆を担当


by ura_hoshimi

裏チームの年末その2

恐怖の窓拭きを終えて、部屋もざっと片付けて、
そこで力尽きて裏チームの大掃除・終了。

最近制作活動休止中のお針当番は、あたらしいブログを作った。
あみねこ歌劇団!仮オープンである。
ねこのあみぐるみを役者に見立ててモーツァルトのオペラ
『フィガロの結婚』を演じさせようというブログである。
もっとも、まだ役者もセットも揃っていないので、
上演がいつになるか皆目わからない。本家お針カゴと、
ドール服作りも並行してやっていくのでノロノロ更新になる予定。

この冬、お針の手も止まりがちである。
材料が溜まっていく一方なのでなんとかペースを取り戻したい。
「娘」たちよ、手の遅いお針子ですまぬ。

掃除を適当に済ませて、裏・食事の両当番は年末の買出しへ。
食事当番は、年越しに焼いて食べるのだ、とマシュマロを買う。
裏当番はホームセンターで探しもの。この冬は寒すぎる。
ババパッチデビューまでしてしまったが、夜寝るときがまた寒い。
しかしエアコンをつけて寝ると肌と喉がやられてしまう。
悩んだ挙句「湯たんぽを買おう!」と思いついた。

森茉莉だって使っていた、由緒正しき冬の友・湯たんぽ。
そうだ、この冬は「昼夜絶えまなく湯たんぽを熱くして、
寝台に埋まり、マルセル・プルウストを気取」っていたという
森茉莉を気取って(ややこしい気取り方である)、
「贅沢貧乏式湯たんぽ生活」をしようではないか!

小さい子供の頃は、うちにも湯たんぽがあった。
プラスチック製で、ひとつはクリーム色、ひとつはピンクかオレンジ系で
クリーム色の方は白菜を漬けるプラスチックの樽に似た色だったと
記憶している。まだ団地住まいで、家族四人が川の字(?)に
一つの部屋で寝ていた頃の話だから、3~4歳の頃か。

一戸建てに引っ越してから、多分小学校の中学年くらいまで
あの湯たんぽを使っていたと思うのだけど、
いつの間にか使わなくなって存在を忘れてしまった。

今回買う湯たんぽは、金属製にしようと決めていた。
あの、カメのお腹みたいな楕円形のブリキのものである。
いくつかのお店で見たプラスチック製のが、どれも厭な感じの
濃いオレンジ色で気に入らなかったというのもある。

多分、『贅沢貧乏』に登場した湯たんぽも金属製だったと思うのだ。
はっきりと「金属製」とは書かれていないが、下着やタオルを洗った時に
「雪の日なぞで乾ききらないときは熱くした湯たんぽに巻きつける。
すっかり乾いて熱くなっている。一挙両得である。」

と書かれているので、金属製の湯たんぽに熱湯を入れて、
生乾きの洗濯物を巻きつけておいて適温になるのを待ったのだろうと
想像している。プラスチック製のものだと、熱伝導が悪い分
なかなか洗濯物も乾きにくいと思うのだがどうだろうか。

それに、森茉莉の美意識・色彩感覚から言っても
オレンジやピンクなどの色が多いプラスチックの湯たんぽよりも、
ぐるぐると巻きつけた真っ白な洗濯物の隙間からブリキの銀色や
アルマイトの薄い黄金色をした湯たんぽが覗いている方が
より「らしい」と思うのである。たしか銭湯に行くときの洗い桶も、
プラスチックのでなく「アルマイトの薄い黄金色」のを使っていた筈だ。
でも、プラスチックのでも、丸くて真っ赤で、注ぎ口の蓋が黒いゴムの
テントウムシみたいな外国製湯たんぽだったら、茉莉さんも
喜んで使ったかもしれない、と想像している。

(「テントウムシみたいな外国製湯たんぽ」というのは、
裏当番が今、書きながら思いついたものなので
本当にそういう商品が存在するのかどうかはわからない。
あるんだったら伊太利製のような感じがするな。
イタリア人が湯たんぽを使うかどうか知らないけれど。
英国人は使うよね。『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の冒頭で
リドル屋敷の元庭師、フランク老人が使ってたもの。
『贅沢貧乏』によればマルセル・プルーストも使ってたそうだから、
フランス人も湯たんぽは使うんだろう。)

さて。で、裏当番は立ち寄ったホームセンターにて、
めでたく目的の「金属製湯たんぽ」を発見・購入した。

裏チームの年末その2_c0054904_1522963.jpg

これこれ。「亜鉛鉄板製・ゴムパッキン付き」って書いてある。
昔ながらの由緒正しい金属製湯たんぽさんだ。
なんと、直火OK。プラスチック製にはできない芸当じゃのう。
直火にかけることは多分ないと思うけど、一応感心してみる。
サイズはこの大きさしか置いてなかった。これで「Mサイズ」だって。
私が欲しかったのはこれより一回り小さいのだったんだけどな。

この「M」の湯たんぽ、かなり大きい。
3.6リットルも入るのだ。本体の重さが560グラムとあるので、
お湯を満タンにしたら4キロ越えるのである。重たい。
だからといってお湯を半分くらいしか入れないと、後で冷えた時に
中の圧力が下がって、気圧の関係で栓が取れなくなるので
(お吸い物を入れた椀の蓋が取れなくなるのと同じ原理)
お湯は必ず口のところまで満タンに入れなければならないのである。

(最近のプラスチック製湯たんぽには、圧力調整内蓋がついていて
お湯の量が少なくてもラクに蓋を取れる製品がある。便利なんだけど
色がピンクで気に喰わないので買わなかったんである。)

バスタオルで包んだあったかい湯たんぽを抱えて階段を登ってると
なんだか赤ん坊を抱いているような気分になった。固いけど。
これで「M」だというのなら、「L」はどれだけ大きいのであろう。

裏チームの年末その2_c0054904_263616.jpg

お湯で満たし、バスタオルで包んだ湯たんぽ。
布団の中に入れて、足を突っ込むと極楽。
今日(1月1日)から使い出して、布団に仕込んだまま
これを書いているのであるが、まだその状態で眠ったことはない。
それでちょっと心配なのだけど、実は以前湯たんぽを使っていた時は
床に布団を敷いて寝ていたのだ。今はベッドで寝る生活である。
で、「第一次湯たんぽ時代」にはよく、朝起きると
布団の外に湯たんぽが蹴り出されていたものである。
今、これを書いていて思い出したんだけど。

初めてベッドで湯たんぽを使うのだけど、
やっぱり蹴り出してしまうだろうか。床はフローリングで、
部屋は二階なんである。ベッドから床まで、およそ35cm。
蹴り出して床に落下したら、凄い音がする筈だ。
きっと家中みんな起きてしまう。バスタオルに包んではあるが、
万一角が当たったら床に傷もつくだろう。どうしよう。

今使っているベッドには、ヘッドボードはあるけれど
足もとの方には板がない。ボックスシーツの上に
フラットシーツを敷いて、フラットシーツの足もとを
マットレスの下に折り込んであって、そこに潜り込んで
寝ているから一応足元は袋状になってるんだけど、心配だ。
布団から出して安全な場所に置いてから寝た方がいいだろうか。

夜も更けたので、とりあえず寝てみる。
贅沢貧乏式湯たんぽ生活・不安混じりの初夜である。
蹴り出しませんように蹴り出しませんように蹴り出しませんように。
by ura_hoshimi | 2006-01-02 02:23 | 裏当番記す