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某所で新月予報を出している「星見当番」の裏日記。裏当番&裏テントチームが執筆を担当


by ura_hoshimi

今週の裏チーム

【お針当番、活動再開】

昨日も今日も雨。お針関係のものと、石関係のものと
いくつか撮りたいものがあったのだけど、撮影延期。

今週末は撮影をすっぱり諦めて、部屋で出来ることに
専念することにした。布ストック箱から沢山の生地を出してきて
まずは洗濯機で糊落としとアイロンがけ。これだけで半日仕事。
夜から型紙を出して配置。今週末に最低二着は仕上げたい。

すずさん史さんに可動ボディをつけてやったのだけど、
それに合う服を買い忘れたせいで、今着せられる服がないのだ。
もう二週間くらいそのままになっている。急いで着せてやらないと。

これを書いてしまったらお針に戻るつもりだが、
その前に表当番がメールを打つと言っている。
作業再開は夜かな。早く仕上げないと部屋も片付かない。

【食事当番、やむなく休業】

相変わらず宿主どのの消化器官は不調だ。
めったなことではお腹をこわさない、胃腸の丈夫な宿主どのが
こんなに長期間、消化不良でいるのは本当にめずらしい。

土曜はオムレツを作れなかったから、今朝作ってみた。
せっかくいい焼け具合だったのに(形は少々崩れ気味)、
おおなんてことだ、オムレツを食べてもいつもの感動がない!
舌は、いつもと変わりなくオムレツの味を感じる。
でも、食べても体が喜んでない感じがする。なんか気持ち悪い。

昨日作ったスープを温めなおして一緒に食べた。
ミルク入りの野菜チャウダーにしようとして作り始めて
完成したらなぜかトマト味のミネストローネになっていたもの。
やっぱり、舌に感じる味は変わらないのだけど、おいしくない。
食べた後、厭な感じの汗が出た。なんだこれは。

胃が痛いわけじゃない。お腹がゆるいわけでもない(今は)。
吐き気もしない。お腹もすくし食欲も多少はある。
でも、何かが確実に変だ。火曜日に会議痛による貧血と
吐き気と下痢で仕事を早退して以来、不調が続いている。
表当番が一番のダメージを受けて、表の更新はストップ。
お針の手も止まりがちだ。全てを中断して寝ているべきかもしれない。

【裏当番、国書刊行会版ジーヴズに吠える】

最近、読書のスピードが落ちた。理解力も落ちた気が。
Narniaは ‘The Voyage of the Dawn Treader’まで読了。
あと残っているのは‘The Silver Chair’と‘The Last Battle’

五冊目まで読んでみて、一番面白かったのは一冊目かな。
‘The Magician's Nephew’。それからやっぱり
‘The Lion, The Witch, and The Wardrobe’。
The Dawn Treaderも面白かった。

Narniaと並行して読んでいるのがJeevesもの。
最初に手に取った‘Carry on, Jeeves’が読み終わらない。
今まで児童書しか読んでいなかった身にはやはり難しい。

日本語版ジーヴズをもっと読みたくて、国書刊行会の
「ウッドハウス・コレクション1・2」も買ってみた。
(ちなみに今まで読んでいたのは文藝春秋のウッドハウス選集)
『比類なきジーヴス』と『よしきた、ジーヴス』。
国書刊行会版(訳は「森村たまき」なる人物)では、
「ジーヴズ」ではなく「ジーヴス」なんだなあ。

文藝春秋バージョンと国書刊行会バージョンは、
収録内容が一部重なっている。読み比べのつもりで
『比類なきジーヴス』から読み始めた裏当番であるが、
数ページ読んだだけでギブアップした。

森村たまきの日本語訳が、素人目にもあまりにマズーで
森茉莉的に言うならば「裏当番の夢を粉砕」したのである。

(↑元ネタは『贅沢貧乏』。
「預金が充分ある頃に買った、ヤアル六千円の巴里の布地を
渋谷で縫わせたジャケットも、この頃売り飛ばした。ひどい形に
出来上がって、魔利(マリア)の夢を粉砕したからである。」

裏当番の夢を粉砕した国書刊行会ジーヴスも売り飛ばしてやる!)

文藝春秋の方は岩永正勝・小山太一 編・訳となっている。
個々の短編をどちらが訳したのか、ということは不明。
ジーヴズがバーティ・ウースターに雇われた最初の事件
‘Jeeves Takes Charge’を読み比べてみた。
(文藝春秋版・原書・国書刊行会版の順番で)

もとの英文を読んで裏当番の頭で理解できた雰囲気と、
それぞれの日本語訳の距離は似たような感じだと思う。
たとえば、真ん中に英文のJeevesを置いたとしたら
文藝春秋ジーヴズは東に、国書刊行会ジーヴスは西に、
それぞれ10kmずつ離れているような感じだ。

しかし、森村たまき訳のジーヴスはモタモタしている。
ウースターの、おバカだけど軽妙な感じは全然出てなくて
ただのスローなバカみたいだし、クロードとユースタスの双子や
ビンゴ・リトルの可笑しさもち~とも出ていない。
ジーヴスも半端に丁寧なだけで、ちっとも頭よさそうじゃない。
再び森茉莉的な表現をするならば、森村訳のジーヴスには
文藝春秋版の訳にあったような「魔」がないのだ。

間抜けならぬ「魔抜け」である。
魔のないジーヴズなんてジーヴズと呼べるか。莫迦野郎。
(怒りのあまり更に森茉莉が乗り移っている。
「莫迦野郎」は『ドッキリチャンネル』で森茉莉が吐いた名セリフ)

そもそも、最も気に入らない点として森村訳ジーヴスは、
「ご主人さま」を連発するのだ。そりゃ、原文では一言ごとに
‘Sir’を連発しているけどさ。日本語に訳するときに、
それを逐一拾わなくっても普通の敬語で処理できる筈だ。
‘Yes Sir.’は「かしこまりました、ご主人さま」でなしに
「かしこまりましてございます」くらいにしとけばいい話じゃないか。

文藝春秋版では、ほとんどSirを訳していない。
どうしてもSirを入れたいなら「ご主人さま」はやめてけれ、と
裏当番は切望する。せめて「旦那様」と言ってほしいのである。
「ご主人さま」と言われると、英国人の執事ではなく
ランプの精が立っているみたいでなんとも厭なんである。

(同じ理由で、メイドカフェの女の子とかが客のことを「ご主人様」と
呼ぶのも裏当番は嫌悪している。「旦那様」と呼べ「旦那様」と!
メイドであって、アラビアンナイトの女奴隷ではないのだ。
私がメイド好きの男であったとしたら、メイドカフェに足を踏み入れて
カナリアイエローのアニメ声で「お帰りなさいませご主人さま~」
と言われた途端に帰る。世の、メイド好きの日本男児は
「旦那様」より「ご主人さま」と呼ばれる方が萌えるのか?
まったく不可解である。男なら「旦那様」と呼ばせるべし。)

そういうわけでマリアは、じゃなかった裏当番は今日も怒っている。
リットゥル・ロォド・フォントゥルロイの祖父みたいに、怒りながら
ビスケットでも齧りたいところだが、お腹の調子が悪くて
それも叶わないというのが辛いところだ。

ふと、ホォムズが好きだった茉莉さんにウッドハウスを読ませたら
どうなってたかなあと思った。ベッドに寝そべって読むのに、
ジーヴズはちょうどいいと思うのだけど。もし茉莉さんが読んでなくて
タイムマシンがあったなら、あの魔のアパートに忍び込んで
手紙とジーヴズをベッド脇にそっと置いて逃げ帰って来たい。
by ura_hoshimi | 2005-10-09 14:02 | 裏チーム入り乱れ