キャッスル月間リエがやってきた・後篇
2008年 11月 24日
【お針当番記す】
前回の続き。
赤振袖(と中のボディ)の元の持ち主が怒りのあまり
首だけで空中浮揚をやらかしそうな勢いだったので
月間リエ嬢にはデフォルトの服とボディに戻ってもらった。
振袖を取り戻したウチの鵺、さっそく新人に絡み始める。
「お針はねぇ、手が遅い癖に布地は沢山溜め込んでるのよー。
しかも赤地の桜模様ばっかりバカみたいに沢山あるの。」
そ、そんなことありません。菊や梅の模様だって買ってるし、
黒地に桜模様だって買ってます(言い訳になってない)!
「ほ、ホントはこれ全部赤が似合う私のために
お針が買い集めてくれ…勝手に買ってきた布だけど!
新人も赤が似合うから一枚だけ分けてあげてもいいわ!
お針は今ヒャホーイ状態だから、今のうちに上手くせかして
さっさと自分専用の振袖を作ってもらうことね。」
「これは木綿だけど、縮緬風に細かいしぼが型押しされてるのよ。
縮緬よりも硬くて着心地は悪いと思うけど、色柄はいいの。
赤地にピンクと薄灰青の枝垂桜模様って素敵だし、
これで柔らかい縮緬だったら、私も欲しいと思うんだけど。」
これはお針もお気に入り。色違いで黒地も持ってる。
(紺地も売られてるけどそちらは色合いが気に食わず)
本当に、この色柄そのままでやわらかい縮緬のがほしいなあ。
「でもちょっと…この赤微妙に渋い色だから、
新人に着せると沈むわね。残念ね。」
「同じ赤に桜で、ポリ縮緬のこれはどうかしら。
これすっごく柔らかいし地の赤もルビー色で華やかなの。
私が二度目に縫ってもらった卵色と黄緑の振袖も、
これくらい柔らかい縮緬で着心地がよかったわ。」
すず子さんが言っているのは「春の干菓子」振袖のことである。
「でもね、それは色が淡すぎてあんまり私に似合わなくて、
今はなんだか髪がすごいことになってる人※が着ているの。
くやしいけど似合ってたから、その振袖はあげたわ。」
※髪がすごいことになってる人
「この縮緬、桜の花吹雪が密なところと疎らなところがあるのよ。
こう、花が疎らで赤地が多い部分と…」
「お花がぎっしりの部分と、どこをメインにするかによって
雰囲気が変わるわよね。」
この生地は新宿オカダヤで購入。色んな色のがあった。
お針はこの赤と、あと黒地を選んだ。たっぷり幅広で、
50cmで切ってもらったが二着は余裕で取れそう。
オカダヤのポリ縮緬、桜模様だけでも数種類の柄行があって
目移りしたが、お針はこの桜がいちばん好き。
あのー、すず子さん、見ている人から
「お針はどれだけ赤地の桜が好きなんだ」と言われそうなので
ここらで他のも合わせてあげてください。ほら、紅梅色の雲取りで
梅の花模様のがあったでしょう。
「これのことね。駄目よ!この新人には色が渋すぎ。
新人はリップカラーやアイシャドウが地味なんだから、
もっと彩度の高い赤じゃなきゃ沈んじゃうのよ。却下!」
…はい(やっぱり駄目か^^;)
「でも、裾回しと伊達襟をうんと鮮やかな牡丹色にして、
チョコレートとプラム色の金襴帯をセットにしてくれたら
私が着てあげてもいいわ。」
………。
「私はこれがイチ押しなんだけど。
ポンポン咲きの小菊に胡蝶の模様。」
あ、それこの振袖の色違い。
チョコレート色のも可愛かったけど、後になって赤も見つけて
追加で購入。でもそれ巽ちゃん姐さん用に買ったんだけどな。
「巽お姐さまには黒地の桜で縫ってあげればいいじゃない。
伊達襟と襦袢を赤にしたらきっとすっごく似合うわよ。
これは新人さんの方が絶対いい!お花がピンクやオレンジで
華やかだし、顔映りがいいし。どうよお針!」
お針はさっきから月間リエ嬢が沈黙してるのが気になるんですが。
えらく自己主張の激しい先輩が居るところに来ちゃって
カルチャーショック状態なんじゃないでしょうね。
それにしてもすず子さん、必死…あわわ、熱心ですね。
そんなに赤い揚羽振袖を試着させたのが嫌でしたか。
意外と気に入ってくれてたんですねソレ。
「違っ…」
安心してください、それはすず子さんのものですから。
そういえばこれ、一度も他人に貸したことないと思ってたけど
お正月に一瞬だけたまきちさんに貸したじゃないですか。
あの時は怒らなかったのに、なんで今回は激しく反応したんですか。
「あの人は似合わなかったから、いいのっ!」
一刀両断、たまきちさんも結構な鵺ガールだけど
うちのすずさんにかかっては形無しだ。うちは年功序列だからな。
しかし、そうか。たまきちさんは赤振袖がすずさんほどには
似合わなかったからどうでもいいと。しかしながら、
月間リエ嬢はすず子さんに匹敵するほど赤振袖が似合うから
脅威に感じて怒ったと。ほうほう、さようでございましたか。
「うるさい!」
「とにかく。早く新人に赤い振袖、縫ってあげてね。」
すず子さん。笑顔が怖いよ・゚・(ノД`)・゚・。
前回の続き。
赤振袖(と中のボディ)の元の持ち主が怒りのあまり
首だけで空中浮揚をやらかしそうな勢いだったので
月間リエ嬢にはデフォルトの服とボディに戻ってもらった。
振袖を取り戻したウチの鵺、さっそく新人に絡み始める。
「お針はねぇ、手が遅い癖に布地は沢山溜め込んでるのよー。
しかも赤地の桜模様ばっかりバカみたいに沢山あるの。」
そ、そんなことありません。菊や梅の模様だって買ってるし、
黒地に桜模様だって買ってます(言い訳になってない)!
「ほ、ホントはこれ全部赤が似合う私のために
お針が買い集めてくれ…勝手に買ってきた布だけど!
新人も赤が似合うから一枚だけ分けてあげてもいいわ!
お針は今ヒャホーイ状態だから、今のうちに上手くせかして
さっさと自分専用の振袖を作ってもらうことね。」
「これは木綿だけど、縮緬風に細かいしぼが型押しされてるのよ。
縮緬よりも硬くて着心地は悪いと思うけど、色柄はいいの。
赤地にピンクと薄灰青の枝垂桜模様って素敵だし、
これで柔らかい縮緬だったら、私も欲しいと思うんだけど。」
これはお針もお気に入り。色違いで黒地も持ってる。
(紺地も売られてるけどそちらは色合いが気に食わず)
本当に、この色柄そのままでやわらかい縮緬のがほしいなあ。
「でもちょっと…この赤微妙に渋い色だから、
新人に着せると沈むわね。残念ね。」
「同じ赤に桜で、ポリ縮緬のこれはどうかしら。
これすっごく柔らかいし地の赤もルビー色で華やかなの。
私が二度目に縫ってもらった卵色と黄緑の振袖も、
これくらい柔らかい縮緬で着心地がよかったわ。」
すず子さんが言っているのは「春の干菓子」振袖のことである。
「でもね、それは色が淡すぎてあんまり私に似合わなくて、
今はなんだか髪がすごいことになってる人※が着ているの。
くやしいけど似合ってたから、その振袖はあげたわ。」
※髪がすごいことになってる人
「この縮緬、桜の花吹雪が密なところと疎らなところがあるのよ。
こう、花が疎らで赤地が多い部分と…」
「お花がぎっしりの部分と、どこをメインにするかによって
雰囲気が変わるわよね。」
この生地は新宿オカダヤで購入。色んな色のがあった。
お針はこの赤と、あと黒地を選んだ。たっぷり幅広で、
50cmで切ってもらったが二着は余裕で取れそう。
オカダヤのポリ縮緬、桜模様だけでも数種類の柄行があって
目移りしたが、お針はこの桜がいちばん好き。
あのー、すず子さん、見ている人から
「お針はどれだけ赤地の桜が好きなんだ」と言われそうなので
ここらで他のも合わせてあげてください。ほら、紅梅色の雲取りで
梅の花模様のがあったでしょう。
「これのことね。駄目よ!この新人には色が渋すぎ。
新人はリップカラーやアイシャドウが地味なんだから、
もっと彩度の高い赤じゃなきゃ沈んじゃうのよ。却下!」
…はい(やっぱり駄目か^^;)
「でも、裾回しと伊達襟をうんと鮮やかな牡丹色にして、
チョコレートとプラム色の金襴帯をセットにしてくれたら
私が着てあげてもいいわ。」
………。
「私はこれがイチ押しなんだけど。
ポンポン咲きの小菊に胡蝶の模様。」
あ、それこの振袖の色違い。
チョコレート色のも可愛かったけど、後になって赤も見つけて
追加で購入。でもそれ巽ちゃん姐さん用に買ったんだけどな。
「巽お姐さまには黒地の桜で縫ってあげればいいじゃない。
伊達襟と襦袢を赤にしたらきっとすっごく似合うわよ。
これは新人さんの方が絶対いい!お花がピンクやオレンジで
華やかだし、顔映りがいいし。どうよお針!」
お針はさっきから月間リエ嬢が沈黙してるのが気になるんですが。
えらく自己主張の激しい先輩が居るところに来ちゃって
カルチャーショック状態なんじゃないでしょうね。
それにしてもすず子さん、必死…あわわ、熱心ですね。
そんなに赤い揚羽振袖を試着させたのが嫌でしたか。
意外と気に入ってくれてたんですねソレ。
「違っ…」
安心してください、それはすず子さんのものですから。
そういえばこれ、一度も他人に貸したことないと思ってたけど
お正月に一瞬だけたまきちさんに貸したじゃないですか。
あの時は怒らなかったのに、なんで今回は激しく反応したんですか。
「あの人は似合わなかったから、いいのっ!」
一刀両断、たまきちさんも結構な鵺ガールだけど
うちのすずさんにかかっては形無しだ。うちは年功序列だからな。
しかし、そうか。たまきちさんは赤振袖がすずさんほどには
似合わなかったからどうでもいいと。しかしながら、
月間リエ嬢はすず子さんに匹敵するほど赤振袖が似合うから
脅威に感じて怒ったと。ほうほう、さようでございましたか。
「うるさい!」
「とにかく。早く新人に赤い振袖、縫ってあげてね。」
すず子さん。笑顔が怖いよ・゚・(ノД`)・゚・。
by ura_hoshimi
| 2008-11-24 15:22
| お針当番記す